一山麻緒選手の走りに感動
8日に行われた名古屋ウイメンズマラソンは、あいにくの雨の中で行われた。最初と後半部分をテレビ中継で見た。このマラソンは残り1枠の東京五輪代表を争うMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)ファイナルチャレンジ女子最終戦を兼ねて行われた。
最初の頃は岩出とか佐藤とか安藤とか一山などの日本人選手について取り上げられていた。新聞で今回の有力候補を見ようと思ったが、ウイメンズマラソンについては何も書いてなかった。
2度目にテレビをつけたときは、先頭集団の最後尾の安藤選手がコメントされていた。安藤選手も有力選手なのかと思いながら見ていた。
オリンピックの代表に選ばれるには、1月の大阪国際を制した松田瑞生(24)=ダイハツ=の2時間21分47秒を超えることが条件であった。ただでさえ厳しい条件の中なのにマラソンは出発から冷たい雨が降り続いていた。
選手はランニングシャツと半パンツとう腕カバーと帽子だけである。どんなに寒いだろかと案じながら中継を見た。これではよい記録は出ないであろうと思った。
29km当たりだったと思うが、監督が道端からゴ―サインの声をかけた。すると一山選手はスーッと先頭集団の前に出た。先頭集団には11人いたと思うが、それ以後は後ろの選手との距離を離すばかりで、力強い歩幅で走り続けた。
1km1分14秒というハイペースであった。実況アナウンサーや高橋尚子、野口みづきのコメンテーターは興奮して話していた。私も期待でずっと見続けた。
35kmで先頭の2人が抜けたがペースメーカーであった。一山選手は坂もこ気味よく上り、2位以下を大きく離して一人旅であった。
名古屋ドームに入り張られたテープを涙で切ったときは私も感動した。2時間20分秒29秒という素晴らしいタイムで優勝した。気温9.1度、湿度88%、北の風0.2メートル、雨と寒さという悪コンディションの中を走り続けての栄冠であった。初マラソン日本歴代最高を持つ安藤友香(25)は2位であった。
日本人7年ぶりとなる優勝で、松田の記録を大きく上回った。タイムも日本人歴代4位。
場内インタビューに立つと、笑顔がいっぱい。心境を問われると「えー、もう……今日みたいな日が来るのが夢だった。夢みたいです」と笑顔で話、悪条件については「でも、こういう日だからこそ五輪決めたらすごいかっこいいなと思って走った」と話した。
記録については「今回は(松田の)21分47秒を切るためにやってきたので、記録までついてきてくれてうれしいです。これまで30キロ以降に1人でいけるような練習をしっかりこなすことできたのでイメージ通りの走りできました。30キロからが本当の勝負。本当にその通りができたのでうれしいです」と振り返った。
そしてオリンピックについては、「世界と戦うにはまだまだ記録が劣っている。五輪に向けてはもう1段階、質の高い練習をして、日本代表としてかっこいい走りをしたい」と述べた。今回の頑張りを札幌でも見せて欲しいと思う。
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雨がやまずに冷えて、しかも終盤は独走になってしまったのに、あれだけのタイムを出したのは立派でした。
一山さんよりもタイムのいい高橋尚子さん達の記録は、すべて高速コースとして有名なベルリンで出しているのですから、今回の一山さんが実質日本最高記録とも言えます。
残念ながら報奨金の貯金が底をついているようですが、話題にしてもらっているシューズメーカーなどがポンと出してほしいものです。
私が注目していたのは佐藤早也伽さんでした。
東洋大学時代はチームが弱かったとはいえ個人記録もパッとしたものはなく、実業団からは多分スカウトされないだろうとさえ私は思っていました。
東洋大学よりもさらに弱小チームである名古屋大学にいながら個人としては学生チャンピオンとして注目されていた鈴木亜由子さんとは対照的ともいえる選手です。
ところが去年の始めから急に成長を見せ、今回はいささか無謀にさえ思えるマラソンに挑戦。
さすがに初マラソンだけに終盤はスタミナが切れてしまいましたが上々のタイムでした。
人間の才能はいつどこで芽を出すかわからないものだと改めて思い知らされました。
投稿: たりらりら | 2020年3月 9日 (月) 15時45分