奇妙な米国の大統領弾劾裁判
米国史上3例目の大統領弾劾裁判は、予想された通り、トランプ氏の無罪評決であった。弾劾裁判の陪審員100人の上院議員の2/3以上が「有罪」と判断する必要があるが、共和党の造反がほとんどなかったので、上院に多数の議席を占める共和党の主張する無罪が確定したのだ。
トランプ氏はそれ見たことかと「でっち上げの弾劾に対する我が国の勝利だ」と表明した。民主党が大統領を弾劾裁判に持ち込めたのは、下院では民主党が多数派だからできたことである。だが、残念なことに上院では民主党が少数派なので、共和党の造反が出ない限り、勝てないことは分かっていたことだ。何とも奇妙な政治的弾劾裁判である。
民主主義は正義より、数の多数が有利なのだ。たとえ間違っていても、数で押し切ってしまえば勝ちという民主主義なのだ。それは日本でもおなじである。森友学園問題、加計学園問題や公文書破棄、改ざん、今争われている「桜を見る会」問題など、安倍政権は忖度をする官僚を従えて、真実を隠しウソをつき通してきた。国民の目から見れば、どう見てもウソを貫いているとしか見えない。それが平然とできるのは、数の民主主義に乗っかっているからである。
米国も日本も正義感も倫理感もないただの数の論理をベースにした民主主義に堕落してしまった。米国はまだ数が拮抗しているところがあるだけましだが、日本のように大差になってしまうと独裁と同じである。
米国の大統領選挙はトランプ氏が勝つだろうを予想する向きが多いようだ。ツイッターでつぶやいて世界を操り、アメリカファーストで世界と共調しない身勝手な大統領には辟易するが、選挙権がないので傍観するしかない。
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