強運の安倍首相
このところ連日「新型コロナウイルス」関連ニュースであふれかえっている。武漢から起こった新型コロナウイルスは、中国内でも患者が増え続け、ついにサーズの時の世界の患者数を上回った。
武漢からのチャーター便による日本人の帰国も依然続いている。政府も費用は政府が負担することを決定したが、ようやく事の重大さに気が付いたようである。WHOもついに非常事態宣言をした。
NHKニュースも民間のワイドショーもコロナウイルス関連ニュースを、これでもかと次々に繰り出している。そこでフッと頭をよぎったのは、安倍首相にとって幸運な風になっているということだ。
1月20日に通常国会が始まり、国会では数に勝る与党と維新の会などで早々と予算案が成立した。今国会の焦点は、「桜を見る会」であり、IR問題であり、大臣経験者等の金の不正問題である。本来ならこれらのニュースがトップに来るであろうが、コロナウイルス問題によって、わきにやられてしまった。
これまでも安倍首相が苦境に陥ると視聴者の目を他にそらす細工がされてきた。今回は降ってわいたような幸運であった。もし、コロナウイルスがなければ、東出昌大の不倫問題辺りが格好の目くらましとして使われたに違いない。
コロナウイルス問題は確かに世界的な大問題である。これからどうなっていくのか、皆が心配しているところでもある。しかし、現国会で野党が追及している諸問題も国民にとって捨て置かれてはならない大問題である。
安倍首相は例によって、のらりくらりと気の抜けた答弁をくりかえして矛先をかわそうとしている。桜を見る会について、地元支持者が招かれた経緯をただされ「募っているという認識であった。募集しているという認識ではなかった」と答えた。首相の国語能力の低さではなく、こうした答弁で済ませるという認識の甘さがあるのだ。
国会での問題追及をメディアは目をそらすことなく国民に伝える努力をすべきである。コロナの陰に入れてしまえば、それこそ安倍首相を強運の男にしてしまう。
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