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2019年12月25日 (水)

認知症予防はできない?

 21日の朝日新聞朝刊に「認知症『予防』の現実」という記事があった。英国ロンドン大学教授クラウディア・クーパーさんへのインタビューであった。医学界で権威がある雑誌に2年前、共同で「認知症の35%は予防が可能」と提言した専門家だ。

 認知症の進行を抑える薬の開発に長い時間と巨額の金が投じられているが、いまだに成功例はないという。ただその過程で「どんな要因があると認知症になる確率が高いか」ということが分かってきたという。

 若いころに教育を受ける機会が少ないことや、中年期の難聴や高血圧、肥満、高齢期の喫煙やうつ、運動不足や社会的孤立、糖尿病が関係しているようだという。それらを変えられる要因ととらえ、認知症の原因の35%に上ると指摘したのだそうだ。

 残りの65%は生まれつき決まっている要因などとされ、完全に防ぐことはできないという。認知症は年を取ることで発症する病気なので、5年発症をおくらせれば認知症になる人は半分に減るという。

 高齢化が進んでいるので認知症になる人も増えるというのは、素人でも理解できる。平均年齢50歳の時代には認知症(その頃はボケといっていた)になる人は少なかったのは当然だ。

 クーパーさんは「認知症の予防が本当にできるのか、今はまだはっきりりしていない。様々な研究を通して、情報を集めている段階だ」と言っている。

 グループで行うダンスや太極拳などが予防に効果的らしいことが分かっている。こうした運動はがんや心臓病を防ぐのにも役立つ。トータルな健康向上策と位置付けるべきであるという。認知症予防のためと狭く考えずに、運動や食事や過ごし方などで、健康寿命を延ばすことが病気の予防につながるととらえるのがいいのだ。

 認知症になる可能性は誰にでもあるという。確かに英国の鉄の宰相と呼ばれたサッチャー氏や米国の元大統領のレーガン氏も認知症になった。高級国民と言われる人でも認知症で悲惨な自動車事故を起こす。

 年齢が進むと認知症やがんなどのかかる確率が高まる一方だから長生きも考え物だといえなくはない。すべては運だと諦めるのが良いのではないかと思う。

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