流行語大賞ONE TEAMに思う
今年の流行語大賞には、ONE TEAMが選ばれた。ラグビーのワールドカップで初めて決勝トーナメントまで進んだ日本チームの快進撃の要因が、7か国出身の選手がONE TEAMとというスローガンを掲げて、まとまった事が強い印象を与えたのであった。予選リーグでの見事な戦いぶりに、日本中に「にわかラグビーファン」を作り出した。私もその一人であった。
ONE TEAMは以来いろんなところで使われるようになった。ONE TEAMという言葉で頭にうっかんだのは、安倍政権である。安倍政権が最長不倒政権になったのは、その前の民主党政権の在り方を見て学んで、ONE TEAMとしてやってきたからだと思う。この6年あまり、森友問題、加計学園問題、数々の現職大臣が辞任に追い込まれたこと、忖度や文書破棄や改ざんなど、あってはならない不祥事が次々に起きた。一番新しいことでは、首相が関与した「税金を使った桜を見る会の私物化」である。
これら数多の不祥事が起きても、政権与党内からは異論が出ず、ごまかしの答弁や知らぬ存ぜぬ答弁やウソの答弁でまかり通ってきたのは、見事なONE TEAMであったからだ。かつての自民党のように派閥に乗っかっていれば、チャンスとばかり批判する者が出たであろうが、現政権は見事なばかりのONE TEAMぶりである。
国会に圧倒的多数を持ち、それを支える与党内が、何があっても支えようというONE TEAMになっている限り、やりたい放題、言いたい放題である。これほどまで強い与党を見たことがない。先日亡くなった大勲位中曽根氏以上である。首相を辞めれば大勲位は間違いない。そして長州人の歴史に名を残すことも間違いない。ONE TEAM賞をあげるとすれば、安倍政権である。
安倍政権がやりたい放題をしているのを許しているのは、野党がまとまっていないからだ。民主党政権が倒れたのも党内がまとまっていなかったからであった。この際、小沢一郎氏が強調しているように、安倍政権を終わらせるために、野党がまとまって選挙を戦うことが大事である。ONE TEAMが求められるのは、野党である。憲法を悪しないとか、原発廃棄とか地球温暖化阻止とか・・根幹にかかわる政策を合議してまとめ、次の選挙でその政策の下にONE TEAMで戦うことだ。
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確かにone teamは耳ざわりのよいことばである。ワールドカップで好成績を残した日本のラクビーチームが使うなら説得力があるが安倍総理が誇らしげにこれをいうと鼻白んでしまうのは私だけだろうか。どんな不祥事が起ころうとも保身のために誰も黙して語らない。異論は許されない。これがone team の実態だとしたら、北朝鮮や中国とどこが違うのだろうか。命まではとられない
だけなのか。one team はそんなに軽々しく使うべきではない。
一頃 都民ファーストが流行ったがこれも実態が乏しかった。今、
安倍政権が国民ファーストといっても誰も信じないであろう。政権維持ファーストならよくわかるが。耳障りのいい言葉は概して中身は乏しい。疑ってかかるべきである。
投稿: Toshi | 2019年12月 6日 (金) 12時38分