老後は無くなるのか
10日の朝日新聞一面トップ記事の見出しは「71歳働くしかない」サブタイトルが「生活困窮しハローワークへ『選べる仕事ない』」であった。
安倍首相は10月4日の臨時国会冒頭の所信表明演説で「65歳を超えて働きたい。8割の方がそう願っておられます」と述べた。それに対し、ネットでは「働かなきゃ食えないのだ」「働きたいじゃなくて、働かざるを得ないだよ」などという反応が出たそうだが、私もそう思う。安倍首相の認識は甘すぎるというべきだ。
厚生労働省によると、2018年にハローワークで新たに登録した65歳以上の求職者は約54万人。208年には約23万人であったから、2.3倍になった。年々増える傾向にあるという。
また、労働政策研究・研修気候の調査で「60代が働いた最も主要な理由」は「経済上の理由」が最も多く、約58%もあったという。
そんな状況の中で、仕事を探しても見つかるのは警備員ぐらいだそうだ。警察庁によると、警備員として働く人は約55万人、60歳以上の割合は44%、70歳以上は13%に上る。警備員の仕事は大変で、豪雨や炎天下でも立ちっぱなしで働かねばならない。それでも働く場所があるのは救いだという。
街で80歳以上に見える高齢の女性の警備員を見かけ、驚いたことがある。きっと生活が困窮しているのだろうと想像した。警備員でも、私が行く八百鮮スーパーの警備員は決まった仕事で、車を車庫に誘導するだけで、楽だからか同じ人がずっと務めている。そんなのは滅多にないだろうと思う。
朝日新聞記事のテーマは「高齢になっても働くのが当たり前―—。そんな時代の足音がひたひたと聞こえる。定年や年金受給がどんどん後にずれ、私たちから『老後』という時間が消えていくのか。『老後レス時代』をっ考える」と書いてある。
私の祖父は昭和の初めに退職したが、40歳台であった。退職して隠居生活をして趣味などでのんびり過ごすつもりであったと言っていた。父は定年が50歳で、その後は第二の職を見つけて10年ほど働いた。その後は恩給でくらしたが、母はいつも「お父ちゃんには長生きをしてもらわないと」と言っていた。私は60歳定年で、以後は年金生活で生きてきた。年金は少ないが物価が上がらなかったのがよかった。ただ、金利が下がる一方でゼロ金利になったのが生活を痛撃している。
現代では「隠居」などというのは死語となってしまった。落語の中で「ご隠居さん」が出てくるぐらいである。2000万円がなくても、老後を憂いなく過ごせる、政治家にはそんな世の中を作ってもらいたいと思うのだが、自民党・公明党政権では逆の方向に行くばかりだ。
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