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2019年11月24日 (日)

映画「永遠の門」 ゴッホの見た未来」を観て

 15日のNHKの「世界に発信SNS」でハリウッドの関係者のツイッターを取り上げた中に、「永遠の門」を作った監督ジュリアン・シュナーベルと主演のウィレム・デフォーへのインタヴューがあった。それを見て、「永遠の門」を観てみたいと思い、新聞でチェックしたら、上映中だと分かった。それで翌日観に出かけた。

 女性割引の日であったが、小さな会場はまだ良い席が沢山空いていた。ゴッホ役のウィレム・デフォーが見ものであった。彼はこの役によって、第75回ヴェネチア映画祭で主演男優賞をもらっている。またアカデミー賞の主演男優候補と目されている。実際彼はゴッホにかなり似ている扮装をして、演技も見事にゴッホになっていた。

 ヴィンセント・ファン・ゴッホと言えば、5月5日に1枚の絵が約79億円で落札され話題をよんだ。ゴッホの絵を見たことがない人はいないくらい名が知られた画家であるが、生前は全く売れずそのために苦しんでいた。弟のテオの援助で何とか生活をしていた。

 映画は会ったばかりのゴーギャン(オスカー・アイザック)の「南へ行け」というひと言で、南フランスのアルルへやって来るところから始まる。アルルはフランスの有名な明るい光に満ちた地方である。「まだ見ぬ絵を描くために、新しい光を見つけたい」というゴッホの願いは、この地で春を迎えた時に叶えられたのである。

 映画は淡々として進む。ゴッホが歩き回る南フランスの風景と共に。監督のジュリアンシュナーベルは自らも絵筆をとる画家でもある。それでデフォーに絵の描き方を1から教えたそうだ。そして映画の中で描くシーンは本人が筆を動かして撮影したのだ。

 絵具箱をしょって、広大な畑をひたすら歩き、丘に登って太陽に近づき、画材を取り出すゴッホ。竹の枝を削って作ったペンで線を描き、ゴッホの線を描画していく。

 どこまでも広がり続く黄色い畑。アルルの風景に絶対的な美を見出したゴッホは、「永遠が見えるのは僕だけなんだろうか」と自身の胸に問いかける。「永遠の門」という題名の伏線である。風になびく麦の穂や沈みゆく太陽を見つめるゴッホの瞳は、不思議な輝きを放っていた。

 ある時、地元の人々とトラブルをおこす。最初のトラブルである。それでゴッホは、強制的に病院へ入れられる。見舞いに来た弟のテオ(ルパート・フレンド)にも、初めて特別なもの(幻影)が見えることを打ち明けるのだ。ゴッホは何か精神の病を患っていたのかその辺のことは分からないが。

  アルルに来た時から待ちわびていたゴーギャンが来て、一緒に暮らし始める。ゴッホとゴーギャンは、“絵を描く”ことについて議論を交わす。自然を見て描くゴッホと、自分の頭の中に見えるものを描くゴーギャン。一瞬で真実を捉えようと素早く描くゴッホは筆を速く動かすことが大事だという、それに対してゴーギャンは、ゆっくりと降りてくるのを待つことが大事だという。屋外に美を探し求めるゴッホ、内面に深く潜るゴーギャン、すべては正反対であった。それでもゴッホは、「僕らの時代だ」と熱く語るゴーギャンに心酔し、ますます創作にのめり込む。

 映画は英語で話される短い会話とゴッホのつぶやきや風景や行為で淡々と描かれるので、途中で眠くなることがあった。英語は難しくはなく、リスニングの勉強にはなる。

 やがてゴーギャンがゴッホのところを出てパリへ行く。 再び一人になり絶望したゴッホであったが、描くことへの情熱でひたすらに描いた。しかし、絵は相変わらず1枚も売れなかった。

 ゴッホのメンタルケアを担当した神父にそっと語る。「未来の人々のために、神は私を画家にした――」 「ゴッホの見た未来」というサブタイトルに重なる部分である。未来の人々までも救うことが出来る、芸術という贈りものを遺すことに、自分が生まれてきた意味を見出していくゴッホであった。ゴーギャンが風景や人物等を描くゴッホに「そんな消えていくものを描いてどうなる」と言うと、ゴッホは絵の中にその時が残るのだ」と答える場面があった。今を永遠に残す作業をするということだと思う。実際、ヒマワリの絵にも郵便配達夫の絵にもその時が残って私たちの目の前にある。

 ゴッホの最後については、自殺説などいろいろあるそうだが、ジュリアン・シュナーベル監督は、銃を持ったゴッホを憎む二人の少年によって胸を撃たれ、それがもとで亡くなったとしている。ゴッホは二人の少年がやったことを誰にも話さずに。

 この映画は非常に難しい、哲学的な映画で眠気も催すが、不遇の天才画家の絵の制作を追ってゴッホの内面に迫ろうとしている。

  

 
 

 

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