ビッグデータの安全性に懸念という記事
ビッグデータという言葉が登場したのはいつごろからだろうか。今では当たり前のように使われている。マーケティングなど幅広い分野で活用されている。個人のスマホなどのメールアドレスに、知らないところからセールスなどのメールが送られて来ることがしょっちゅうある。明らかにビッグデータを使って個人の好みや傾向を調べていると思われる。
ビッグデータは企業など第三者に提供・販売されているのだ。アンケートに答えると「知り得た情報が特定のところに提供されることがある」などと書いてあってそれを認めるように要求される。ビッグデータさまざまな形でさまざまな場面で集められているのだ。
スーパーなどでの品物の購入履歴は見事に詳細に記録されている。マナカなどで地下鉄に乗った記録も詳細に記録されていて履歴を印刷すると見ることができる。ATMで金の出し入れをした時も同じだ。インターネットだけでなく、日常生活のあらゆる場面でビッグデータが収集されているのだ。
それを可能にしたのがコンピュータやAIの発達である。この30年ほどで私たちの生活はずいぶんと便利になったが、その反面個人のプライバシーが無くなった。街を歩いていると至る所に防犯と称するカメラが設置されており、事件があったときにはそこに写された映像によって容疑者が特定される。我々は監視社会の中で生活しているということだが、それは防犯カメラだけでなく、ビッグデータによっても行われているかもしれないのだ。
今回の英国とベルギーの研究チームが、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションに発表した「ビッグデータなどで活用される匿名化された大量のデータの安全性に疑問を投げかける研究結果」が、匿名でも個人の特定が可能だとしている。なんと米マサチューセッツで99.98%の個人を特定したというのだ。
使われた公開データは、性別、郵便番号、人種、住宅ローン、学歴、結婚歴、車の所有状態、市民権の状態、生年月日、職業など15種の属性だという。組み合わせる属性が多いほど特定できる度合いが高まる。
先にも述べたようにデータはあらゆる場面・形で集められているから、利用できる属性は増えるばかりだ。現代社会に生きる我々は見えない檻の中で生活をしているようなものだ。すべて誰かにお見通しの状態なのだ。中国のように国家がデータを把握するようになると自由も人権もない。日本はどうなっているのであろうか?
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私もこうして匿名でブログに勝手なことを書かせていただいているが、現在の技術を持ってすれば私が何処の誰かはすぐに特定できるかもしれない。今のところ、余計なことを書くなとか、非国民という私に対する誹謗、中傷はきていない。監視社会というとマイナスイメージが強いが、それによって犯罪の検挙率は確実に向上している。今朝もテレビのあさチャンでとんでもないあおり運転の実態を放映していたが、ドライブレコーダーが完全に犯人を写していた。早晩、この犯罪人を逮捕できるだろう。監視社会というと息が詰まりそうだが、万引き犯や路上犯罪の検挙率が上がれば結構なことである。多少の窮屈さは我慢しよう。
投稿: Toshi | 2019年8月14日 (水) 08時09分