良寛の詩「余生」
我が家の近くにCafe VitaというCafeがあったとき、毎週日曜日に「モーニングサービス」を食べに行っていた。仕切りが6つついた白い皿に6種類のおかずがついて、パンとコーヒーとこだわりのゆで卵もついて550円であった。コーヒーのお替りはじゆうであった。
そのCafeにいつもモーニングを食べにくる常連が自然にできた。みな高齢者であった。自然にテーブルを囲むようになり、談笑しながらモーニングのひと時を楽しんでいた。一度テレビの取材があり放映されたことがあった。
そのCafeは2年ぐらい前にやめてしまったので非常に残念であった。常連の内GさんとMさんとYさんは別のCafeでモーニングを食べるようになった。それで私も時々呼んでもらい参加している。
先日、Gさんだデイサービスにカラオケがあると言ったので、「カラオケをやるの?」と尋ねたら、「私はやらない。私は詩吟をやる」と言った。詳しく聞いて驚いた。85歳のGさんは詩吟を長いやっていて師範の免許を持っているというのだ。
そしてGさんはパス入れを出して、「いつもここに良寛の『余生』という詩を入れて持っている」と言って、見せてくれた。小さな紙切れに詩が書いてあって、吟ずるときの符牒が入っていた。その詩を小さな声で吟じてくれた。良寛の心境を表したとてもよい詩であった。私はスマホのカメラに収めた。
余 生 良寛
雨晴れ 雲晴れて 気もまた晴れる
心清ければ 偏界 物 皆清し
身を捨て 世を捨て 閑人となり
初めて月と花とに 余生を送る
良寛は47歳より新潟出雲崎の五合庵に住み、質素で無欲の自由人として過ごした。お椀1個と錫杖で托鉢をし、子どもたちと日が暮れるのを忘れて遊ぶこともあったようだ。
この里に 手毬つきつつ 子どもらと 遊ぶ春日は暮れずともよし
悟りの境地にあったことをうかがわせる。良寛がもし今の世の中を見たらどう思うであろうか。
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