映画「長いお別れ」を見た
東京にいる娘が映画「長いお別れ」を見に行ったとメールして来たので、認知症を描いたこの映画のことを知った。調べてみたら名古屋ではミリオン座で屋ていることが分かった。ミリオン座が新しくなったことは知っていたが、正確な場所は知らなかった。見当をつけて伏見駅1番出口に出たのはよかったが、そこからが分からなかった。スマホの頼りない地図を見て行った。
上映されるホールは3階にあり、9列しかない小さなホールであった。私は9列の中央辺に席を取ったが正解であった。
映画は二人の小さな女の子が後楽園の遊園地で、山崎努演じる東昌平と出会うところから始まるが、このシーンは最後の方でのシーンを持って来たものだと後で分かった。
元中学校長を務めた厳格な昌平の家族は松原千恵子演じる妻と2人の娘がいるが、長女の竹内結子演じる今村麻里はアメリカに家族で住んでいる。次女の芙美は最近結婚でさわがせた蒼井優が演じている。芙美は親とは別の所で住んでいる。
この映画は山崎努が主役だと思ったら、蒼井優のようだ。山崎は70歳で認知症を発症し、次第に悪くなって78歳で亡くなるまでを上手に演じている。ストーリーは70歳から2年ごとに時間が変って行く。つまり2年ごとのエピソードを描いて行くのだ。最初は少し怪しかった言動が、だんだんひどくなっていく。それを妻の曜子や次女の芙美などが温かく支えていく。妻の夫に対する言葉遣いが明治か大正ごろの女性のように非常に丁寧なのに驚かされた。
高等学校時代の柔道部の主将が亡くなり、芙美に付き添われて通夜に行くが、旧友のことも誰の葬儀かも分からなくなっていた。それでも漢字の知識は衰えていないというような側面もあった。孫から「漢字マスター」だと驚かれるくらいだ。
長女の麻里はアメリカから年に1度ほど帰って来るが、一人息子は家を出るが学校に行かず、親ともうまくいかない悩みを抱えている。映画は認知症の昌平を家族それぞれが対応していく様子を淡々と描いているが、テーマは認知症の家族を妻や子どもたちがどう支えていくかだと思う。
最後の方で同窓会に行くはずの昌平が後楽園の遊園地に行ってしまい、そこで出会った女の子たちとメリーゴーランドに乗るシーンがあるが、これが冒頭と結びつくのだ。遊園地に来た時昌平は傘を3本持っているが、その謎が解かれる。昔娘たちが小さい時にお母さんと遊園地に来たが雨に降られた。その時父の昌平が傘を持って迎えに来てくれたのだ。その記憶があって昌平は遊園地に来たのだと母親の曜子が気付くのだった。
「長いお別れ」というタイトルが変っていると感じていたが、その意味が最後の場面で明かされる。麻里の息子の崇が校長先生に呼ばれたとき、祖父が認知症を7年煩って亡くなったことを話す。すると校長が「長かったね。長い別れだね(LONG GOODBY。認知症のことをLONG GOODBYというのだ」と話すのだ。そこから取った題名であったのだ。認知症では長い間の介護が必要になるから別れまでが長いということなのだ。
昌平は最後には入院する。そのとき担当医師は人工呼吸をつけるかどうかを家族に決めるように迫る。認知症がひどくなると、最後は誤嚥が多くなり、誤嚥性肺炎を患って苦しむと医者は説明をする。
私は最後に延命措置で苦しんで死ぬのは嫌だからしっかりしているうちに家族に伝えておくことが大事だと思う。口頭では伝えてあるが文書で残しておくことが大事だと思っているが、まだ書いていない。
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