事故を起こしてからでは遅い
東京の池袋で自動車が暴走し、若い母親とその子供をはねて死なせた事件は、改めて高齢者の運転の可否について問題を提起した。皮肉なことに、その数日後、今度は兵庫県でバスが暴走し、若い人を死なせる事故が起きた。この二つの事故で、自動車運転の怖さを思い知らされることになった。
私が50代の頃、ある有名会社の社長が運転する自動車に京都まで乗せてもらったことがある。車は高級車のベンツであったが、社長は87歳だ言っていたので内心不安ではあった。幸い何事もなかった。その時自分はそんな高齢まで生きないだろうし、生きたとしても自分はとても運転できないだろうと思った。今と違ってその頃は87歳と言えば長寿であったのだ。
今は高齢社会になって87歳はいくらでもいるし、運転もしているだろうと思う。ただ、今回の事故で思ったのは、事故を起こした加害者も人生の終わりに近づいて大事故を起こし、本人はもとより、家族も言うに言えないショックを受けたとだろうということだ。報道ではもう運転を止めたいと言っていたようだから、なおのことである。
運転者も骨折をして入院したので逮捕はされていないが、そのことでSNSでは「上級国民」だから一般庶民とは別格扱いだと騒がれているらしい。「上級国民」という造語までできたのには驚いた。
私は82歳で自動車の免許を返納した。以後運転したいとは思わないし、第一事故を起こす心配もないので心も平安である。返納する決意をするまでは、子どもや妻から運転を止めるようにうるさく言われた。事故を起こしてからではどうにもならないと。
運転免許を返納して、人身事故ゼロで終ることができてよかったと思っている。25日の朝日新聞「声」欄に、「高齢者はある年齢で一律に免許を返上させたらよい」という投書があった。人それぞれに事情があるから、一律にとはいかないだろうが、高齢になったら自分から返上することが大事だと思う。
以前高齢者の免許更新に行ったとき、素人目にも明らかに認知症と思われる人が何人もいたのを見た。私はバスで行ったのだが、その人たちは車を運転して来たと言っていた。高齢者の免許更新はその後厳しくなったが、講習会場に行くのも車の運転は禁止するくらいのことが必要ではないかと思う。
とにかく後期高齢者になったら運転を止めるかどうか家族と共に検討することが大事だと思う。
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