埼玉県川口市立夜間中学ができたことを知った
友人が送ってくれたメールで、埼玉県川口市に公立夜間中学ができたことを知った。素晴らしい内容なので下に転載した。筆者は埼玉県の元蕨市会議員の仲内さんという方で、原発反対や9条を守るなど幅広い活動をしておられる。文中に見城さんという名前が出て来るが、私が所属している「児童言語研究会」の会員で、東京の夏季アカデミーなどでお会いし、話しを聞いたこともある素晴らしい教師だ。
文部科学省のサイトで調べたら、「中学校夜間学級(いわゆる夜間中学)とは,市町村が設置する中学校において,二部授業が行われる学級のことをいいます。平成28年4月現在,8都府県25市区31校の中学校に夜間学級が設置されています。」と書いてあった。
私が住む名古屋では愛知県教育・スポーツ振興財団が運営し、中学夜間学級というようだ。「中学夜間学級は、さまざまな事情で中学校を卒業できなかった方を対象に、中学校卒業程度の学力をつける機会を提供します。」日本語、ポルトガル語、タガログ語、スペイン語で案内している。教員は名古屋市が派遣し、市立北山中学に席を置く。
授業日時 週3回 (原則 月・水・金) 午後6時~午後8時30分
授業場所 愛知県教育会館3階 他
修業年限 2年
授業料 無料
教科書 名古屋市内公立中学校で使用されているもの(無償で支給
以下、転載した文。
川口市に埼玉で初めての公立夜間中学ができ、開校したことに関して。
そこに、私の知り合いが3人入学しました。東京新聞、朝日新聞、そして報道ステーションなどに取り上げられていたので、ご覧になった方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。前川喜平さんが文科省事務次官として大きな力を発揮され、教育の場での憲法の精神を、具体化したのが、このニュースです。
30年ほど前の蕨の市議会で、公立夜間中学をつくるべきではないか、と私は一般質問で取り上げました。埼玉県内で初めて議会で取り上げた瞬間でした。
全国にあった30余りの夜間中学は当時からすべて自治体設置で、国は関知せず、でした。国がやらないなら、せめて「公立」(自治体立)として埼玉で、と。
本来的には、明らかに憲法26条違反であり、義務教育の「国の義務」放棄です。(前川さんは「義務教育」をみんな取り違えていると指摘されていましたね。国の義務なのです。)
そもそも夜間中学は、戦争、貧困で中学に行けなかった日本人、そして在日外国人が対象。今は不登校、海外からの移住者、労働者にとって学びを保障する場となっています。
いずれも中学に行けなかった原因そのものに、国家の責任が大きく関わっています。にもかかわらず、国は今まで責任を放棄。
川口自主夜間中学の野川義秋さん、映画「学校」の教師のモデルの一人である見城さんなどたくさんの人々の粘り強い運動と、当事者たちの勇気ある行動が、数十年の努力を経てやっと実を結んだ結果、それが、前川喜平さんが講演会で語られていた、法律にのっとっての夜間中学設置です。
その今回新設の川口夜間中学に、私の知り合いがなんと3人も入学したのです!オドロキ以外の何物でもありません。入学されたお一人・堀川しず子さん(今夜の報道ステーションで取り上げられていました。「86歳の中学生」です。)と電話で話しました。86歳!何という意欲。
堀川さんは、毎月三日の蕨駅西口での「アベ政治を許さない」アピール行動に参加してくださっています。肝がすわっている人だなあと、いつも感じていました。
私がみなさんに送る三日の写真に必ず一緒に写っている方。中学を出ていないこと、今回のことで初めてしりました。人間は学歴ではない、ということ、堀川さんの例でもわかります。とても知的な方です。12歳で敗戦。働かなければ生活できない貧困の中、中学には行けなかった、そうです。戦争の被害者のお一人です。
ご存じ寅さんも中学を卒業していないのです。「寅次郎 かもめ歌」で夜間高校に入りたいという寅さんでしたが、中卒の資格がなくて駄目という話がありました。
無数の寅さんが日本には居ます。字が読めない、書けないことが、どんなに辛いか、たいへんなことか、想像に難くありません。駅で切符を買いたくても、路線図の駅名が読めない、まちのお店の看板が読めない。まして英語で書かれていては・・・・想像してください。
いま改めてかの女の勇気と意欲に感動しています。他の二人の方も素晴らしい意欲で、堀川さんは「卒業まで頑張ろうと激励し合った」と言っていました。なんといい話だろうと思います。身近に居る素敵な人たちです。
生きていてよかった、人は信頼に足ると思える人たちの夜間中学に関しての話でした。
« 自然治癒力を上げる食べ物という記事から | トップページ | 皇室への親しみ76%という朝日の世論調査 »
「教育・生涯学習」カテゴリの記事
- 教員になり手がなくなっているという(2023.01.22)
- 教員の多忙さの生々しい現状(2022.05.08)
- 朝日新聞連載「いま先生は」に期待すること(2021.12.03)
- IT時代で手狭になった教室(2021.07.19)
- 教員免許更新は即刻廃止ずべし(2021.06.01)
こういう記事を読ませてもらうと思い浮かぶのは、近年次々と表面化してきている、外国人を入学させている日本語学校をはじめとする学校の問題です。
先月も東京福祉大学の学生が700人も行方がわからなくなっているとニュースになっていました。
人数が多すぎるために表沙汰になったのでしょうが、日本各地に急増中らしい日本語学校などでは日常茶飯の出来事とか。
東京福祉大学などは典型的な例のようですが、とにかく定員をそろえるために外国人だろうが何だろうが入学させて学費を取り、行政からは補助金をもらってしまえば、学生がどうなろうとおかまいなし。
どうなろうと、とは言っても多くの学生は、日本へ来るために作った借金を返すためにアルバイトに追われているのだとか。
そういう学校へはザブザブと補助金を出しているのに、公立の夜間中学や夜間高校へ回す財源は無いなどという行政官がいたら、何を考えているのかはあまりにもわかりやすいです。
投稿: たりらりら | 2019年4月22日 (月) 17時59分