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2019年4月 1日 (月)

「記者たち」、今という時代に警鐘を鳴らす映画だ!!

 NHKの「SNSで世界に発信」という英語番組で「記者たち」という映画を作ったロブ・ライナー監督のインタビューを見て、是非この映画を見たいと思った。イラク戦争の時のことを描いた映画なので古い映画だと思っていたら、3月29日公開の映画であった。

 新聞で調べて29日にミリオン座で公開されることが分かったので見に行った。14時10分からの上映だがチケットは買うことができた。観客は熟年以上の男性が大半であった。普通映画は女性が多いのだがこの映画は男性が多いということはイラク戦争を扱っているからだろうと思った。

 イラク戦争の大量破壊兵器の存在に疑問を持ち、真実を追い続けた実在の新聞社「ナイト・リッダー」の記者たちの奮闘を描いた作品である。監督のロブ・ライナー自身が支局長として出演している。インタビューで支局長を演じる役者が決まっていたが撮影開始したとき都合が悪くなってキャンセルされたので、奥さんの助言もあって監督が代役を務めることになったのだというエピソードを語っていた。「ギャラも安くて済むしね」と言っていた。

 イラク戦争を始めたのはブッシュ大統領やコリン・パウエル国務長官、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官などである。これらの人物の映像は当時のテレビニュースとして挿入され使われている。だから彼らがイラク戦争をイラクが大量破壊兵器を隠しているというフェイクニュースや9.11のトレードセンター破壊と関係しているという口実で始めたことがよく分かる。

 イラク戦争に志願兵として参加し九死に一生を得て帰国した黒人の青年が登場するが、心ある人たちは一般の若者が大義のない戦争に狩り出されて犠牲者になって行くことを恐れていた。イラク戦争とベトナム戦争を重ねあわせて一部の政治家の思惑で他国を侵略し、その国の人たちだけでなく自国民も犠牲にすることを告発しようとしたのであった。

 ニューヨークタイムスなど大手新聞社が、政府関係者の流すニュースソースを信じてそれを記事にしていた。ナイト・ビッターという小さな新聞社だけは、それに疑問を持ち、違ったソースから真実を突き止めようといろいろと探るのであった。その様子がドキュメンタリータッチで描かれている映画である。

 イラク戦争が終わって何年か後に大量破壊兵器はなかったこと、ウソの情報であったことをブッシュ元大統領やパウエル氏などが認めざるを得なかった。大手メディアのニューヨークタイムスも謝罪をした。

 監督は次のように語っている「イラク侵攻直後から、嘘が根拠となって戦争が始まるなんて信じられなかったし、報道もすべき仕事をしなかった、そして、真実が一般市民に届かなかった。まるで、自分の子供が道に飛び出して、車に轢かれてしまうのがわかっていながら、止めることが出来ない無力な親、そんな気持ちだったのです。アメリカ以外の国で抗議の声が上がっていたにもかかわらず、どうしてこんな恐ろしいことが起きたのか。正しい情報を知らないことによって、どんな大惨事が起こるのか。そういったことに警鐘を鳴らす映画として見てもらえるとうれしいです」

 監督は更に「今、メディアがかつてないほど攻撃されていて、世界中を見ても独裁者が台頭しています。自由で独立したメディアが抑圧されると、真実が一般市民に届きません。結果的に我々一般市民が経験していることを反映するような作品になりました。自由で独立したメディアがなければ、民主主義というものは存続できないと僕は信じているし、現在のドナルド・トランプ大統領はメディアは民衆の敵と呼んでいる。そのような今だからこそ、闘わなければと思ったのです。企画当初はもちろん意図していませんでしたが、ある意味タイムリーな作品になってしまったのです」 と話している。

 トランプ大統領になってメディアはフェイク呼ばわりされ、大統領を支持するメディア以外は敵扱いをされている。それは日本でも同じである。メディアの幹部は絶えず安倍総理と会食し、NHKには安倍総理の息のかかった人物が送り込まれている。また政府広報機関と言われる大手メディアもいくつか存在している。メディアが権力監視をしなくなったら民主主義は死んでしまうのだ。

 この点について監督は「今の大統領はメディアを民衆の敵だと発言したり、政府御用聞きの媒体が、プロパガンダのような嘘を広めています。権威主義、専制政治になると自由は簡単に失われてしまうのです。 」と指摘している。

 「記者たち」という映画の今日的意義はそこにあるのだ。

 

 

 

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