「原発支援へ補助制度案」などとんでもない
3月23日の朝日新聞一面トップ記事は「原発支援へ補助制度案」という記事であった。経済産業省が、原発で発電する電力会社に対する補助制度の創設を検討していることが分かったというのだ。温室効果ガス対策を名目に、原発で作った電気を買う電力を買う電力小売り事業者に「費用を負担させる仕組み」を想定しており、実現すれば消費者や企業が払う電気料金に、原発を支える費用が上乗せされることになるとリードには説明してあった。
原発は温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション電源」で、環境への付加価値をもたらしている、というりくつだそうだ。原発がゼロエミッション電源であることには誰も異を唱えないだろう。しかし、あの東日本大震災と大津波で福島第一原発が崩壊して、強力な放射能を出し続けている「デブリ」の処置になす術もない。冷却に使った汚染水の置き場もなくなってきて、それをどうするかさえ決められない状況である。
政府は耐用年数が無くなって来た原発も延長して使おうとし、再稼働を始めた。それらの原発が発電した電力は再生可能エネルギーに押され続けていて、経済産業省幹部は「再エネがここまで入ってくるとは思わなかった」とぼやいているそうだが、それはチェルノブイリや米スリーマイル島などの原発事故や福島第一原発事故を見ても当然のことだ。「誤算であった」などと呑気なことを言っている場合ではない。
大手電力会社幹部が「原発はリスクが大きすぎる。制度支援がなければ続けることは難しい」と述べたそうだが、正直でいい。当事者も認めざるを得ないのだ。次の大災害がいつ起こるか分からない。明日かも知れないのだ。そしてまた既存の原発に大事故が起きればその経済的、時間的、人材的負担はとてつもつかない規模になろう。
安全でクリーンな「再生可能エネルギー」に発電のシフトを替えて、そちらに補助をして行く方がどれだけ環境破壊を守ることになるか小学生でも分かることである。「再生エネルギーに押されている」と危機感を抱いていると聞いて嬉しくなった。ドイツのように再生可能エネルギー開発に全力を挙げるべきである。
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