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2019年2月 5日 (火)

核拡大政策を勧めるトランプ米大統領

 オバマ前米大統領が「核なき世界」をめざして進めてきた、核兵器の役割と数の縮小をトランプ大統領は覆した。中距離核戦略(INF)全廃条約からの離脱を表明したのだ。

  トランププ氏が「ロシアは長年、条約違反をしてきた。我々は合意を破棄し、離脱する」と言ったのは、昨年10月のことであった。

  同条約に加わっていない中国がミサイル開発で制限を受けないのをも念頭にあった。トランプ政権は経済面だけでなく、軍事面でも中国を「競争国」と位置付け対決姿勢を強めているのだ。

  トランプ氏は「いかなる核保有国にも後れを取ることは絶対にあってはならない。アメリカはファストだ」と言った。

  昨年2月には、今後5~10年の核政策の指針となる核戦略見直し(NPR)を発表した。あらゆるレベルの抑止力を保つために柔軟な核能力を持つことを目的としている。爆発力の低い小型核兵器で敵の基地など限定的な攻撃を可能としている。

  またトランプ政権は18年5月、米英仏独露中の6か国とイランが15年に結んだ「イラン核合意」から一方的に離脱した。

  現在世界には1万4500発の核兵器があるという。86年のピーク時の7万発より減ってはいるが。

  17年に国連で採択された「核兵器禁止条約」には核保有国は参加せず、唯一被爆国の日本も米国の「核の傘」に依存することから条約に反対している。何とも情けないことである。

  原発と言い、核兵器と言い、一旦ことあれば地球の破滅になりかねない危険なものである。人類が悪魔の兵器や道具を手放せないのは何と言うことであろう。

  世界終末時計は、今年も2分前を指している。

 「人類と世界の終末まで、あと2分……!
 日本時間1月25日午前0時、米ワシントンD.C.で2019年の「世界終末時計」が発表された。この時計は、米科学誌『原子力科学者会報』が1947年から毎年発表しているもので、核戦争などによる世界の終末、そして人類滅亡までの残り時間を示した象徴的な時計である。

 今年示された“人類滅亡までの時間”は、残り2分。もはや絶望的数値である。そう、2分後に人類は滅亡するのだ。

 この惑星に生まれ、美しい自然に囲まれながら多様な文明を築き、科学技術を発展させ、宇宙の謎さえ解き明かそうと挑戦を止めなかった(たまに間抜けだけど)憎めない存在――そんな人類も、まるで初めからいなかったかのように宇宙の片隅でひっそりとその歴史に幕を下ろすのだ、2分後に。

 理由は、世界各国における核戦争の危機、進む環境破壊、広がる不寛容などの「新たな異常事態(New Abnormal)」の定着。もはや自滅である。
 

 ちなみに、昨年2018年の発表も「残り2分」。これは1953年と並ぶ最短時間であり、実は冷戦の時代より危険な状態である。その理由として挙げられたのは、やはりドナルド・トランプ米大統領の核廃絶への消極的な態度や米中露の関係、さらに北朝鮮やイランなどの核兵器問題だ。

 そして今年、時計の針は昨年と同じ「残り2分」にとどまった。やはり、残念ながら人類はまだ首の皮一枚でつながった状態なのだ。ますます緊迫する世界情勢に鑑みれば当然ともいえるが、人類は1947年に時計が作られて以来、最も危険な状態に置かれていると改めて示された形となる」(以上WIKIPEDHIA)

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