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2018年9月 5日 (水)

国民投票で改憲派が圧倒的に有利な理由―②―

 予想される改憲派のメディア・PR戦略・・・・

(1)1社管理による、改憲派統一イメージ運動の展開

 電通はあらゆる媒体で圧倒的な広告枠確保のシェアを誇る。さらにイメージ創出面においても優秀な制作陣を有しており、人々の心に残るCMやビジュアルを作ることができる・・・

(2)早期発注による広告枠の独占

 改憲派は電通を通じて発議までのスケジュールを想定して事前に広告発注を行い、テレビCMのゴールデンタイムをはじめあらゆる広告媒体(新聞・雑誌・ラジオ・ネット・交通広告等)の優良枠を国会発議の数ヶ月前に抑えることができる・・・

(3)国会発議直後から広告宣伝をフル回転

 もし投票日が発議後60日後の最も短い期間になった場合、改憲派は事前準備しているから発議後翌日から広告宣伝をフル回転できるのに対し、護憲派がテレビCMなどを放映開始できるのは、(制作日数を考慮すると)どんなに早くても2、3週間後となり、その間は改憲派の広告ばかりが放送・掲載されることになる・・・

(4)豊富な資金で多彩はCMを製作
 

 改憲派は豊富な資金に物を言わせて大量のタレントを動員し、出演者が毎日変わる「日替わりCM」も制作可能である。

 老若男女に人気の高いタレントや著名人をそれぞれの年齢別ターゲット層に合わせて出演させ・・・

(5)インターネット広告でも優位に

 インターネットにおいても、改憲派は主要ポータルサイトの広告欄を事前に全て押さえ、様々な種類の広告を展開できる・・・

(6)全国統一キャンペーンの実施能力

 全47都道府県をネットワーク化し、全ての県で実施される改憲イベントを一元管理できる・・・

 全国津々浦々の小さな集会にも、客寄せのために著名タレントを派遣することが可能。

 改憲派からの豊富な資金があれば、タレントが所属する事務所に高額の出演料を支払うことができるためだ。

(7)自民党の地方組織との連携

 改憲派の中心である自民党の全国組織と協働してフル稼働させ、市議・県議レベルでのミニ集会を毎日実施・・・

 さらに、要望に応じて弁士や有名タレントなどの派遣を行う。

 全国主要駅前などでの演説会でも同様。

 いかがだろうか。

 少し考えただけでも、電通がこれらの方策を展開してくることは容易に想像できる。

 なぜなら、ここで紹介した様々な方策は、電通が常日頃スポンサーのためにやっている仕事で、何ら特別なことではないからだ。

時間(事前準備)と資金の両方があれば、盤石のプロパガンダ戦略で護憲派を圧倒するだろう。

 護憲派はどうすべきか・・・・

(1)一刻も早く、活動の中心を決める。

(2)広告宣伝戦略(メディア戦略)の構築を急ぐ。

(3)広告宣伝費用を考えて集金目標を設定し、カンパを集める。

 筆者は現在、ジャーナリストの今井一氏が主催する「国民投票のルール改善を考え求める会」で、超党派議連結成を目指している。

 自民党の船田元氏、国民民主党の桜井充氏、立憲民主党の杉尾秀哉氏らが中心となって、秋の臨時国会で国民投票法におけるCM規制に関する改正案を出す予定だ。

 これにより、少しでも公正公平な投票を実現したい。

 だがそれでも、広告宣伝戦略において、改憲派が圧倒的に優位な状況は変わらないだろう。

 今までの護憲諸派の活動を見るに、集会実施や動員などには力をそそぐが、広告宣伝はおざなりにされてきた感が非常に強い。

 だが改憲派は間違いなく、その両方に力を入れてくる。

 護憲派は過去の古いやり方を改め、広告宣伝戦略も含めた大胆な国民運動を展開しない限り、このままでは国民投票本番で手痛い敗北を喫するだろう。

 

ほんま・りゅう
1962年生まれ。著述家。1989年、博報堂に入社。2006年に退社するまで営業を担当。その経験をもとに、広告が政治や社会に与える影響、メディアとの癒着などについて追及。憲法改正の国民投票法に与える広告の影響力について調べ、発表している。著書に『メディアに操作される憲法改正国民投票』(岩波ブックレット)、

『広告が憲法を殺す日』(集英社新書)ほか。

【月刊保団連 2018年8月号掲載】

 

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