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2018年8月 1日 (水)

ヒジキはタバコより危険という記事、本当?

 私はワカメ、海苔、ヒジキなど海藻類が好きで、ヒジキは子どもの頃母がよく料理に使ってくれたので馴染みが深い。

  Yahooニュースを見ていたら、「タバコより危険?『ヒジキ』で寿命が縮まる!?」という記事があった。AllAboutの記事だ。何事ぞと思って読んだ。

  2004年7月英国食品規格庁より、ひじきは健康を害するため食べない方がよいとの勧告が出された。理由は「無機ヒ素」を多く含むためだというのだ。今から14年も前の話しである。これまでに聞いたこともなかった。何を今更と思った。

  、「ヒ素」は農薬や殺鼠剤に使われる毒物である。ヒ素には「有機ヒ素」と「無機ヒ素」があり、毒性は「無機ヒ素」のほうが強いといわれている。WHO(世界保健機関)のファクトシートによると「飲料水や食事からのヒ素の長期にわたる摂取は、がんや皮膚病変の原因となりうる。また、心血管疾患、神経疾患、糖尿病の発症にも関連している。」そうだ。「ヒ素」は和歌山の毒カレー事件で有名になった。だから危険なのはよく知っている。

  「損失余命」というのがあって、身体に悪影響を及ぼす食事や行動によって、どのくらい寿命が縮まるかを示す考え方なのだそうだ。この用語は初めて知った。『それで寿命は何秒縮む?』という書籍で紹介されたことから広まったようだという。

  それによると、タバコを1本吸うと12分縮まる、コーヒーを1杯飲むと20秒、ソーセージを1本食べると25秒縮まるそうで、ひじきの損失余命は小鉢1杯で58分と考えられているらしい。

  ヒジキの安全性について、 厚生労働省が、実際に日本人が食べているひじきの量から危険性の有無を、東京都福祉保健局が「ひじきに含まれるヒ素」でまとめていて、それによると……

1. WHOが定めた無機ヒ素の耐用週間摂取量は15μg/kg体重/週だから、体重50kgの人の場合、1日に107μg(1週間に750μg)までは大丈夫。

2. ひじきに含まれる無機ヒ素は最大22.7mg/kg(22.7μg/g)で、1日あたり4.7g以上を食べ続けない限り、健康に悪影響を与えることはない。

 平均的な日本人の食生活では、ひじきの摂取量は1日0.6g程度。だから全く問題ないといえる。

 厚生労働省の発表にも「海藻中に含まれるヒ素によるヒ素中毒の健康被害が起きたとの報告はありません」と明記されている。

  ヒジキのヒ素を除去する調理法は、英国食品規格庁の勧告を受け、農林水産省が調理による無機ヒ素含量の変化を調べたという。平成18~20年度にスーパーなどから取り寄せた乾燥ひじきを水洗い、水戻し、茹でる、茹でこぼす等の工程でどのくらいヒ素の含量が変化するのかを調べたそうだ。

 ・水戻し……30分間水に浸し、戻し水を捨てて水洗い

 ・茹で戻し……水に入れて茹で、沸騰後5分茹でる。茹でた湯を捨てて、水洗い

 ・茹でこぼし……30分水に浸し、戻し水を捨てる。お湯に入れ茹で、沸騰後5分間茹でる。さらに茹でた湯を捨てて水洗い

 最も重要なことは、戻し汁は使わないことだという。戻し汁を使うと折角除去したヒ素が入ってしまうからだ。

 ヒジキには、葉酸が含まれるし、食物繊維やカルシウムや鉄などが豊富だからよい食品である。毎日食べる訳ではないし、この記事の情報を頭において食べればよいのだ。

※http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/hijiki.html

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