BSフジの「歌姫 江利チエミ 波乱の人生と永遠の愛」を見て
BSフジで放送された「歌姫 江利チエミ 波乱の人生と永遠の愛」を録画して見た。若い頃美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみが3人娘と言われて人気の歌手であった。その中で江利チエミが一番好きであった。
この番組で江利チエミが歌うのを見て、改めて彼女の素晴らしい歌声とエンターテイメント性に惹きこまれた。
江利チエミは小さい頃から歌うのが大好きでそうで、その点は越路吹雪と似たところがある。越路吹雪と似たところは、他にも歌のうまさやエンターテイメント性や明るさなどがあるが大酒を飲んだことも共通している。そのために若くして命を落としてしまうことになるのだが。
12歳のときに家計を支えるために、当時日本を占領していた横浜の米国の進駐軍基地で歌った。それがきっかけで日本中の米軍基地から呼ばれて歌ったのだという。そのとき兵士の一人からもらったパティペイジの「テネシーワルツ」のレコードをすり切れるまで聴いて覚えたという。
チエミの英語は発音がいいし、早口の歌でも歌いこなしている。きっと進駐軍基地回りで英語の歌を歌うことで自分で覚えたのであろう。
15歳の時にデビューしたが、初めはレコード会社を回ってもどこも採ってくれなかったそうだ。最後に回ったキングレコ―ドでも何度も売り込んでやっと聞いてもらえたのだという。そのとき英語でテネシーワルツを歌ったのだ。
キングレコードで出した「テネシーワルツ」は大ヒットし50万枚も売れたそうだが、江利チエミが歌うこの歌を聞いて私も大好きになった。途中で日本語の詩が少し入るがいい何とも言えないよいメロディの曲である。
ただ原曲の詩の意味は馬鹿げていて、そんなことってあり?というようなものだ。恋人とダンスに行ってたまたま友達に会い紹介する。恋人と友だちがテネシーワルツを踊っている間に恋人を取られてしまうというものだ。 しかしメロディーが素晴らしくカラオケで歌う私の18番の曲である。
江利チエミの歌い方で感心したのは、
●口を大きく開けて、さらに口蓋を上げて歌っていること。
●鼻の穴も大きく開けて歌っていること。
●目を見開いて歌っていること。
●素敵な笑顔で歌っていること。
この4つの点は私のコーラスの指揮者がいつもうるさく言うことである。チエミの素敵な歌声は基本がしっかりしているからだと思った。さらにデュエットのときはときどき相手の目を見詰めながら歌っているが、その表情が魅力的である。
江利チエミはあの高倉健と結婚し、離婚したのでも有名であったが、離婚した理由を初めて知った。江利チエミが結婚したのは人気絶頂の22歳のときで、高倉健は29歳だったがまだ売り出したところであった。結婚後1年間専業主婦をしたが、歌手に復帰する。それからしばらくして高倉の人気が上がり大スターへの道を進んだのであった。
不幸なことに、腹違いの姉と称する女性に実印を預けすべてを任せたために、知らない間に3億円の負債を背負ってしまった。それでチエミの方から離婚を申し込んだのだという。結婚生活は12年であった。しかし、本当は高倉健との復縁を望んでいたし、チエミが愛した人は高倉健1人であったそうだ。
チエミは3億円の負債を返済するために、好きでない歌も歌い、各地を巡業したりして負債を返済した。これから自分の好きな歌を好きなペースで歌えるというときに、45歳で急逝した。
前日中村メイコと酒を飲んでへべれけで歩けないほどであったそうだ。ベッドで嘔吐しそれが気管支に入って窒息したのだ。
江利チエミはどうして大酒を飲むようになったのか。負債の返済とか愛する高倉健とのことなどで酒でまぎらわそうとしたのだろうが、中村メイコや杉良太郎など親しい人も忠告できなかったという。残念である。
江利チエミ、越路吹雪、美空ひばりなど国民的歌手がみな早世しているのは惜しまれる。長生きしていたらどんな歌手になり、どんなふうに我々を楽しませてくれたであろう。チエミは生きていたら80歳、ひばりもそのくらいだ。天才は早く亡くなるというが神も非常である。
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