マスコミはなぜ安倍政権を批判しないのか
国会が終わって一番ホッとしているのは誰あろう安倍首相であろう。モリ・カケ問題をヌラリクラリとかわして、証人喚問も拒否して終わった。この国会では問題が多い「働き方改革」「IRカジノ」「参議院定数6増」などを十分な審議をしないまま強行に成立させた。
ネットでは、「マスコミは何故安倍政権を批判しないのか」という記事が一つ二つあったが、権力を監視すべきマスメディアは下を向いていた。だから安倍政権の支持率も回復傾向を見せたのかも知れない。
最後に立憲民主党の代表が2時間40分にわたる演説をして鬱憤を晴らしたが、犬の遠吠えであった。数を恃む与党には痛くも痒くもなかっただろう。
そんな中でクリムシチュウの上田晋也が珍しく安倍首相の赤坂自民亭を批判という記事を見つけた。TBS「上田晋也のサタデージャーナルでのものだ。
先にかいたような暴挙が許された最大の原因は、マスコミがこの間の安倍政権の災害対応をほとんど批判しなかったからだとして、水害対策をほったらかして「赤坂自民亭」のどんちゃん騒ぎに参加していた問題は、数日間、TBSの一部の番組をのぞいて、全く報道されなかったと指摘している。
そんな中、安倍首相に対して、敢然と批判の声を上げた大物芸能人がいて、それはくりぃむしちゅーの上田晋也だというのだ。あまり政治的な話に踏み込むイメージのない上田だが、7月14日に放送された『上田晋也のサタデージャーナル』(TBS)でつぎのように語った。
「以前、えひめ丸の事故のとき、森喜朗首相がゴルフやってて退陣まで追い込まれたじゃないですか。僕はまったく同レベルの話だと思うんですよ」
この日の『サタデージャーナル』は、「政治家としての"感覚"を問う 災害対策は? 豪雨の夜に"赤坂自民亭"」と題し、ジャーナリストの龍崎孝、元衆議院議員の金子恵美、脚本家・CMディレクターの大宮エリーをパネラーに迎えて安倍首相らの赤坂自民亭参加について議論が行われた。
上田は大阪の地震のときの対応も引き合いに出しながら、
「先日の大阪の地震のときもね、安倍総理と岸田さんお食事会してらしたわけでしょ。で、今回のコレでしょ。僕はね、以前、えひめ丸の事故のとき、森喜朗首相がゴルフやってて退陣まで追い込まれたじゃないですか。僕はまったく同レベルの話だと思うんですよ」
えひめ丸の事故というのは、2001年2月、愛媛県立宇和島水産高等学校の漁業練習船えひめ丸が、浮上したアメリカ海軍の原子力潜水艦グリーンビルと衝突して沈没。この事故により、えひめ丸に乗っていた高校生ら9名が死亡したが、森喜朗首相(当時)は事故の連絡を受けたにもかかわわらず、休暇中に訪れていたゴルフ場から動かなかったことで猛批判を浴び、退陣に追い込まれた。
上田は国民の命が危険に晒されているのにも関わらず、自民党の仲間内で宴会を優先させる安倍首相の姿勢はこのときの森首相と同じ、つまり、安倍首相の行為も退陣に値すると批判したのだ。この間、さまざまな評論家やコメンテーターたちが「赤坂自民亭」についてコメントしていたが、ここまで踏み込んで正論を吐いたのは、上田だけだろうと記事は書いている。
ふだんは政治的な発言をあまりしない上田がここまで辛辣な安倍批判をしたというのは、、安倍政権の対応はそれほどひどいものであったからだ。(以下記事を引用する)
―― 安倍首相は気象庁が異例の会見を開いて「厳重警戒」を呼びかける中、赤坂自民亭の宴会に率先して参加しただけでなく、被害がどんどん拡大し始めたその翌日もたった15分しか会議をせずにさっさと私邸に帰ってのんびり過ごしていた。
しかも、ひどかったのが言い訳だ。安倍首相は宴会の直後、自らマスコミに上機嫌で「和気あいあいだった」と答えておきながら、国会で追及されると、西村同様「ツイートが誤解を招いた」などとまるで宴会がなかったかのような嘘を吐いた。また、小野寺防衛相は「赤坂自民亭からずっと指示を出していた」と言い張ったが、防衛省内部の証言で「指示がなかった」ことが明らかになっている。
これらは、上田が引き合いに出した「えひめ丸事故」のあとの森喜朗と同じく、即刻、退陣につながってもおかしくない失態だろう
しかし現実は、そうはならなかった。それどころか、本来であれば豪雨災害に専念させるべき石井啓一国交相にカジノ法案の審議に出席させ、被災者おざなりを続けたのである。そして、そのまま冒頭で言ったように、カジノ法案を成立させてしまった。
もはや、やりたい放題であり、民主主義が死に瀕しているともいえる異常事態ではないか。
上田は番組終盤、「こういった時こそね、本当に政治家としての資質が問われるんじゃないかと思うんですがどうでしょうか」と言っていた。
これまで目立って政権批判をしていなかったくりぃむしちゅー上田までが怒りの拳をあげた、安倍首相の暴挙。これでも他のマスコミは黙ったままでいるのだろうか。――
長い引用をしたが、我々良識ある国民の気持ちをよく汲みとった記事だと思うから取り上げた。
今こそメディアは本来の公権を監視し正す役割を果たすべきである。
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