西野監督、JFAとFIFAの行動規範に背く
Yahoo ニュースを見ていたら、「軌範」守らぬ西野監督 世界のサッカーを敵に回した」という朝日デジタルの記事を見つけた。
日本チームが決勝進出するために一つの「賭け」に出たことに対して、日本サッカー連盟(JFA)と国際サッカー連盟(FIFA)の行動規範をもとに批判した記事である。
この記事では日本は「サッカーくじ」を当てたようなものと言っている。その通りでセネガルが負けることに賭けたのが運よく当たったということだ。
そのために西野監督が取った戦術指示が「ボール回し」で時間を稼ぐことであったのだ。同点にするために果敢に攻撃をすると、ポーランドの反撃によって失点するかも知れないし、何よりイエローカードを貰う危険さえあるのだ。終盤に交代した長谷部主将が「イエローカードを貰わないように気を付けろ」と言ったのがそれである。
サッカーやサッカーを愛する人を「大切に思うこと」が大事だと日本サッカー連盟行動規範は表現しているという。それによってサッカーが社会に認められ、発展できるというのだ。
そのために「JFAサッカー行動規範」というのがあり、その第一番に、「最善の努力」という項目がある。
「1 最善の努力 どんな状況でも、勝利のため、また一つのゴールのために、最後まで全力を尽くしてプレーする」と記されているそうだ。
この軌範に照らせば、今回の西野監督の指示は明らかに行動規範違反である。
また、国際サッカー連盟(FIFA)にも「フットボール行動規範」があり、FIFAはこの行動規範でスポーツのモラルと基本的な倫理を示し、いかなる重圧や影響のもとでもこれを支持し、そのために戦うと宣言しているというのだ。
一番初めに「勝つためにプレーする」という項目がある。
「1 勝つためにプレーする 勝利はあらゆる試合のプレーする目的です。負けを目指してはいけません。もしも勝つためにプレーしないのならば、あなたは相手をだまし、見ている人を欺き、そして自分自身にうそをついています。強い相手にあきらめず、弱い相手に手加減してはなりません。全力を出さないことは、相手への侮辱です。試合終了の笛が鳴るまで、勝つためにプレーしなさい」
このFIFAの行動規範はJFAのものよりもっと具体的で分かりやすい。強い相手にあきらめず、全力を出さないことは、相手への侮辱だ。最後までプレーをしろと言っている。
「勝つためにプレーする」というのを都合のよいように解釈したのであろうか。ボール回しだってプレーだと。ポーランドが日本のやることを眺めていたのも「弱い相手に手加減をしてはならない」という文言に反する行為である。
日本では、テレビで賛成派の解説者やコメンテーターが口々に、目的を果たせばどんな方法でも良い、と力説している。選手たちも西野監督の差配を称賛している。
川淵三郎JFA相談役まで「名監督誕生」とツイッターで褒めているというのだからおそれいる。前回に書いた様に外国からはほとんど日本のやり方を批判している。真剣に戦わずに決勝進出を運に賭けたやり方を厳しく批判しているのだ。それは道理のあることだ。
記事の筆者は「フェアで強い日本を目指す」と宣言しているJFAは、西野監督にJFAとFIFAの行動規範の順守と、世界標準のフェアプレーを求めないのでしょうか。」と述べているが賛成である。
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ワールドカップのテレビ中継をまったく見ていない私がコメントするなどというのは、おこがましいことですが。
しかしFIFAは、昨日のららさんの記事にある通り、このようなプレーに対しては全員にイエローカードを渡すなどのルール改正をただちにするべきです。いや、するにちがいありません。
自動車レースでホンダのエンジンが勝ちすぎるとただちに規則を変更する、バレーボールにしろ柔道にしろ水泳にしろスキーのジャンプにしろ、日本人選手が勝つとただちにルールを変えるのがヨーロッパ主導の世界です。
しかし今回の例は、日本人選手が有利とかどうとかの問題ではなく、スポーツマンシップに明らかに反しているのです。
これを見逃していては、FIFAは役員だけでなく選手まで腐敗してしまいます。
投稿: たりらりら | 2018年7月 1日 (日) 19時54分