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2018年6月 3日 (日)

和語には「ラ行」で始まる言葉はなかった!?

 Yahooニュースを見ていたら、President Onlineの「日本にはもともとら行の言葉はなかった」という記事を見つけた。「南極と北極はどちらが寒い」とか「+-×÷=はどうして生まれた?」というようなちょっとした雑学を取り上げた記事の中にあったのだ。

 ラ行の言葉は確かに少なく、しりとりをするときラ行の言葉に持って行くと勝てるということは知っていた。
 
 辞書で調べたらラ行の中でもルで始まる言葉は特に少なく、留、瑠、婁、屡、流、琉、類、塁,累、涙、誄、泪、など14しかなく、後はこれらの字が頭に付いた「留守」「流行」のような熟語が少しあるだけである。ほとんどはルール、ルーキー、ルート、ループ、ルームのような西洋系外来語である。
 この記事によると、日本にはもともとラ行の言葉はなく、中国から漢字が渡来してそれを使ってラ行の言葉ができたのだという。確かにラ行で始まる言葉は音読みである。
 
 数字の「六」は和語のように感じられるが「ロク」は音読みで、「ムッツ」のように「ム」が訓読みである。
 
 こうしてみると、古い時代に漢字が入ってきて、その音を使うことにより、日本語の表現が豊かになったことがわかる。しかも、中国語はその後も何度か入ってきた。中国のどの地域から来たかで発音が異なるのだ。
 
 音読みには呉音・漢音・唐音(宋音・唐宋音)・慣用音などがある。漢音は7、8世紀、遣唐使や留学僧らによってもたらされた唐の首都長安(今の西安)の発音(秦音)である。
 
 呉音はそれよりずっと前の5世紀に中国南方から伝わったもので、漢音導入以前に日本に定着していた発音で、朝鮮半島の百済の王仁が「千字文」を持ってきたと歴史で習った。唐音は鎌倉時代以降、禅宗の留学僧や貿易商人らによって伝えられたものである。
 慣用音は、上記のどれにも収まらないものをいう。百姓読みなど誤った読み方が時代を経て定着した音読みが多い。「茶」における「チャ」(漢音「タ」・呉音「ダ」・唐音「サ」)という音は、誤った読み方ではないが、漢音と唐音の間に流入した音でどちらにも分類できないため辞書では慣用音とされる。(wikipedia)
 
 同じ漢字でも、たとえば、「明」という漢字は呉音の「ミョウ」と発音し、漢音では「メイ」と、唐音では「ミン」と読むのはそのためである。
 今、日本語教室で漢字の読み方と意味を例文を使って教えているが、日本語の漢字はつくづく難しいと思う。
 「日本語にはラ行の言葉はなかった」のが中国語の漢字の音と外来語で作られたというのは面白い。
 
 

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