「万引き家族」を観に行った
カンヌ国際映画祭で最高の賞パルムドールを受賞した是枝監督の映画「万引き家族」を観に行った。午後1時半の部を観たいと思って出かけミッドランドスクエアに12時半に着いた。チケット売り場には少し並んでいる人がいた。
チケットは少し残っていたがスクリーンから3列目までであった。3列目辺りは上を向いて見なければならないので迷った。5列目の隅っこが1つあったのでそれに決めた。
開場の10分前に行くと辺りは人で溢れていた。凄い人気なのだと思った。中に入ると満席であった。
上映が始まった。男と少女がスーパーで万引きをするシーンからであった。男が万引きを教えているのだ。その帰り道で団地の隙間の向うで泣いている女の子を見つけて男は家に連れて帰った。
狭いごちゃごちゃした家にはお婆さんや若い女などがいた。私は予備知識を持たずに観に行ったので映画が始まっても家族の関係が全く分からなかった。家族関係が分かったのは最後の方であった。
ゆりという女の子が加わって6人の家族になったが、俳優で知っているのはお婆さんを演じている樹木希林だけであった。
少女のように見えた子は翔太という少年で、「ゆり」に駄菓子屋で万引きを教えるのであった。映画を観ていていろんなシーンが現れてパッと切り替わって行くのだが、ストーリーらしいものはないようであった。
映画の進行を観ながら、頭の中で何を描こうとしているのかを考えながら観るしかなかった。家に帰ってネットで解説を読んでやっと男は柴田治ということがわかった。彼は高層ビルの建築現場などの仕事をしている。映画の中で裸になってセックスをする女性が妻の信代だと分かった。信代はクリーニング店で真面目に働いていたのに首をきられてしまったのだ。またもう一人の風俗で働く若い女性は信代の妹、お婆さんは初枝と言ってこの小さな家の家主であることが分かった。
男と翔太とゆり以外は万引きをしないのか、他の者たちは容認しているのかは分からなかった。
映画の中で男が翔太にお父さんと呼ばせようとしているので、血のつながりがないことは分かった。
この6人は初枝の年金を頼りにしているがそれだけでは足りないので万引きをして必要な物を手に入れているのだとどの解説にも書いてある。初枝と柴田夫婦は親子なのかどうかは分からない。
柴田夫婦は翔太やゆりを気の毒に思って家に連れて来たようなのだ。万引きはするがこの奇妙な寄合家族は仲良く暮らし、海水浴にでかけることもあった。寄合家族の貧しくても仲良く暮らす様子を描いて、家族について考えさせようということなのだろうか。
1回見ただけでは分かり難い難解な映画だと思ったが、外国人にも受け止められてパルムドールを獲得したののはなぜだろう。
ネットには、「世界からも高く評価されている経済大国日本で、しかも首都東京で起こるこのような実情を、包み隠さずに映し出したということに大きな衝撃と意義がある」というのがあった。
まじめに働いても生活ができず、やむなく万引きをしてしまうとか、簡単に首を切れれるとか、ゆりのように親からネグレクトされるなどの社会的問題を照らしだしたことだというのだろうか。
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