米朝首脳会談は実現したが
長い間騒がれてきた米朝首脳会談はやっと実現した。史上初めてのことだという。トランプ大統領、金正恩委員長はいつ態度を変えるか予測がつかないので当日まで懐疑的に見ていた。
両首脳はに米朝関係の改善を目指す共同声明に署名をし、金委員長は朝鮮半島の「完全な非核化」を約束したが、いつまでに、どうやって非核化を実現するのかの具体策は示さなかった。つまり米国が事前に強調していた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」は盛り込まれなかったのだ。またトランプ氏が目指していた朝鮮戦争の終結も入らなかった。
私は当日Yahooニュースで見ていたが、トランプ大統領は「我々は期待をはるかに超えることをやり遂げた」と自賛し、金委員長は「世界はおそらく重大な変化を見ることになるだろう」と述べた。
トランプ大統領は北朝鮮に安全の保障を与え、新しい米朝関係の構築を約束した。また、朝鮮半島の永続的で安定的な平和体制の構築に尽力するとした。今後はポンペオ米国務長官と北朝鮮高官による交渉に委ねられる訳だ。
トランプ氏は拉致問題について、金正恩氏に提起したそうだが、おそらく「言っておいたよ」という程度のことであろう。
今回の米朝会談は壮大な政治ショーだと見る向きがある。たしかに誰の眼にも作られた政治ショーと映ったであろう。それはトランプ氏のツイッターや話しでの巧みな誘導と演出にある。金氏も韓国大統領と会ったり、習近平主席と2度もあったり、プーチンロシア大統領と会ったり・・・と、政治ショーの盛り上げに余念がなかった。
天声人語では、ヒッチコックを引き合いに出して、いつどうなるのか観客をハラハラさせたサスペンスであったと書いているが、その通りだ。そしてこのサスペンスはこれからも続くと誰もが見ている。
今回の米朝首脳会談の場所を提供したシンガポールの首相は、「どうして場所を提供しバックアップしたのか」と問われて、「東南アジアの平和と安定のため」と答えている。シンガポールがどのくらいの金を使ったのかはわからないが、いいことをしたと思う。
この先がサスペンスで終らないように、世界にとってハッピイエンドとなることを期待している。
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