対照的な金の使い方、紀州のドンファンと九州の中本氏
紀州のドンファンと呼ばれる資産家が亡くなって、その死因をめぐって連日メディアが騒いでいる。私の関心はそこではなく、50億円という資産とその使い方である。
ネットニュースでは資産50億円のうち30億円を4000人の女性のために使ったと書いてあった。調べたら「紀州のドンファン 30億円を美女4000人に貢いだ男」という本が講談社文庫から出ていることが分かった。
その他にも「俺は死ぬまで美女を抱く」とか、「いい女を抱くためだけに俺は大金持ちになった」という本もある。
これらの本は本人が書いたのか、ゴーストライターが書いたのかは知らないが、美女に大金を使うことを自慢する人間がいることに驚いた。FNNニュースでは友人がこの男のことを金儲けだけを考えていると評していた。
もともと資産があって、それを上手に運用して大金持ちになったのかどうかそれは知らない。だが、その金を美女を抱くために使って来たという生き方に疑問をもつ。
世界中には一生懸命に生きながら、その日の生活にも困っている人が何億人もいる。ビルゲイツのように稼いだ金の一部を社会のために寄付するという考えはなかったのであろうか。美女に使うことを誇らしげに本にする男だから、そんな殊勝な考えはないのだろう。
一方、7日の朝日新聞「ひと」欄には、紀州ドンファンと対照的な金銭価値観を持った人が紹介されていた。中本博雄さんという人で、タイトルは「貧しくてあきらめた九大に5億円を寄付した」であった。
中本さんは、「無駄なお金を使うなら人にあげた方が生きる。財産ゼロという生き方をしたい」と語っている。家庭が貧しくてどうしても九大に進学できなかったそうだ。しかし、その後青写真で焼いていたコピーを普通の紙でやれないかと考えて6年後に成功したのだという。米国でも日本でも特許は取ったが、特許料はもらっていないそうだ。
1987年に製図や印刷の会社を福岡市で創業した。今は息子に経営を譲り引退している。愛車は軽自動車、自宅は知久5年と地味な生活をしてきたようだ。
「苦労して貯めたお金ですが、貧しくても勉学したい人が使えば何十年か後に生きると思うのです」と語っている。何と尊い志であろうか。
紀州のドンファンの金の使い方にうんざりしていたときなのでピーンと心に響いた。自分の才覚で儲けた金だからどう使おうと勝手だと言えばそれまでだが、人間としてそれでいいのかと言いたくなる。米国のトランプ大統領も何十人もの美女と交渉し、口止め料を払ったことが顰蹙をかっている。紀州のドンファンとは相手にした美女の数が桁違いに少ないが金銭感覚は同じである。いずれもDEALなのだ。
日本にも中本さんやビルゲイツのような人がいっぱい出てきてほしい。
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