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2018年5月29日 (火)

誰が使うの?超高額抗がん剤

 25日の朝日新聞に「未承認抗がん剤の8割、月100万円」という見出しのコラムがあった。驚いたのは、一番高額な薬は、米国で2017年8月に承認された急性リンパ性白血病向けの「キムリア」で、自身の免疫細胞に遺伝子操作をしてガンを攻撃する力を高めて体内に戻す「CAR-T細胞療法」と呼ばれる治療法で、1か月あたり約4700万円だという。国内でも4月、製薬大手ノバルティスが承認申請をしているそうだ。

 1か月に4700万円もガンの治療に払える人は、安倍首相とか麻生財務相やソフトバンク孫社長のような超お金持ちしかいないだろう。いったい何か月で治るのか、書いてないので不明だが、絶対治るのでなければ使えないだろう。
 
 国立がん研究センターの調べによると、欧米では承認されているが、国内では未承認の抗がん剤がのべ65種類あり、薬剤費が分かっているうちの約8割、45種の1か月の薬剤費は100万円を超えるそうだ。
 
 1か月100万円でもべら棒に高いと思うのだが、抗がん剤はそんなにも高いのかと驚く。だから保険会社が高額医療に備えて保険を掛けろと毎日のように宣伝しているのだ。
 
 1000万円以上が3種あり、500万円以上は10種あるというが500万円以上1000万円未満なのかどうかは分からない。
 
 価格がこれほど高いのは、製造が難しい新しいタイプの薬や対象患者が少ないことが原因だと推測している。
 
 領域別で最も未承認薬の多かったのは、リンパ腫などの血液のガンで30種類だったという。
 
 調査した国立がん研究センター先進医療・費用対効果評価室の野口瑛美医師は「未承認の薬を国内でも使えるようにしていくことは大切だが、患者の経済的な負担にどう対応するのか、制度の在り方も考えていかねばならない」とコメントしている。
 
 高齢化してガンにかかる人は増えているが、同時に高齢化により医療費に対する不安を抱く人も増えている。私もその一人である。近藤誠医師のように、「医者にかかるな、薬を飲むな」と言ってもらうと貧乏人には神様のように思われる。
 高額未承認抗がん剤は所詮低所得層には無縁である。ここにも医療における持てる者と持たざる者の格差が歴然としてあるのだ。

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