よそ事でないい、「全米地方TV同じ文書で一斉メディア批判」
4日の朝日新聞が報じた次の記事は衝撃的であった。
――「一部のメディアは、虚偽の記事を点検もせずに流している」「民主主義にとって極めて危険だ」
3月、全米の地方テレビ局のキャスターが一斉に、同じ文言の「フェイクニュース」批判のメッセージを読み上げ始めた。だが、その表現は、トランプ米大統領による主要メディア攻撃に酷似していた。米メディアによると、メッセージは、米国で最大の193局を保有し、保守系で知られるメディア企業「シンクレア」が読み上げるよう強制したものだった。――
異なる局のキャスターたちが発する言葉が、奇妙なほど一言一句たがわず重なり合うというのだ。
フェイクニュース批判は、本来のフェイクニュースに対してではなく、トランプ大統領が気に入らなくて、フェイクニュースだとツイートしているCNNなどの主要メディアに向けたものだ。しかも、トランプ大統領自身がツイッターでシンクレアのやり方を支持し、シンクレアこそ優れていると応援しているという。
これに対してSNSでは、「全体主義的なプロパガンダだ」などとの批判が噴出したというが、それは当然である。
だいたい一国の最高権力者である大統領が、自分に都合の悪いメディアを、何の根拠もなく、フェイクニュースばかり流しているということ自体、絶対あってはならないことだ。
日本でも安倍首相が国会で朝日新聞を名指しで攻撃したが、トランプを真似たのであろう。
アメリカでは放送局の「公平の原則」の義務が1987年に廃止されているという。これまでは今のような極端な偏りはなかったが、トランプ大統領の登場によって自らが偏重を許し、率先してツイートしているのが背景にある。
日本でも安倍政権は放送法から「公平の原則」を取り除こうとしている。他所ことではないというのはこのことである。それでなくても、産経、読売は政府広報機関と言われ、NHKも安倍首相のお友だちに支配されて、安部不利な情報は流さなくなった。
それがさらにおっぴらに、”合法的”にされるとなったら大変なことである。一気に戦前のようになりかねないと危惧する。
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