秘境 トカラ列島中之島旅行―⑯―
往路と違って、海は風波は立っていたが、穏やかでフェリーは揺れることもほとんどなかった。私たちは食堂に行って昼食を摂ることにした。カレーが手頃なので注文したが、なかなかできて来なかった。カレーは作り置きができるので電子レンジで温めるだけだと思うのだが。
船には水とお茶の設備が何カ所かあった。食堂はくつろぐ場所にもなっていて、自動販売機を設置してあった。Sさんは待てないらしく何かを買っていた。
鹿児島まで7時間半、カレーを食べた後はどうやって過したらよいのだろう。こういうときは時間が経つのが遅いのだ。
しばらくは部屋で横になったが眠れなかった。また食堂に行くと、マスターやKさんが宿の主人と話をしていたのでそれに加わった。
島の人たちは70歳になると、敬老でフェリー代が無料になると言った。島では土葬かと聞いたら、今は火葬だと言った。島で亡くなれば鹿児島まで運んで焼いてもらうのだという。ただ、ほとんどの人は最後は鹿児島の病院で亡くなると言っていた。
また、40歳台の人までは島に住むと450万円で住居を改装してもらえ、2年間は生活費の補助が出ると話していた。若い人を呼び寄せるのが狙いなのだ。
その後休憩所に行って何となくテレビを観た。昔の西部劇をやっていた。途中からなので訳が分からなかったが暇つぶしに最後まで観た。ジェームス・スチュアートなどかつての西部劇俳優がでていた。
フェリーにはWiFiがあったが、たくさんの人が使うせいか、電波は捉えてもニュースなどの表示がでないのでスマホは使えなかった。西部劇の後の京都の織物の番組を観るともなしに眺めた。
中之島で一緒になった人がきて座ったのでその人と話をした。島が見えて来てやがてアナウンスが入り口之島に入港すると分かった。それでデッキに上がった。
口之島から鹿児島までまだ時間がかかる。休憩所に戻った。YTさんは男性とずっと話し込んでいた。その人が行ったので私はYTさんと話をした。ずっと話していたYTさんの相手は中之島で知り合った蝶の理学博士であった。凄いカメラを持っていたが中之島では主に蝶などの写真をとったのだそうだ。蝶の写真の本も出版しているそうでYTさんはいい人と知りあえてよかった。
やっとのことで鹿児島湾に入ったが、そこから鹿児島まではまだかなり時間がかかるとKさんが言った。薩摩半島を遠くに見て船は進んだ。行きには分からなかったが鹿児島湾は広い大きな湾であった。
18時半、フェリーは定刻に港に着いた。Yさんが早く出口に行った方がよいというので急いで行った。切符を渡して船を降りた。長い船旅がやっと終わったと思った。
Goodby!中之島
フェリーのカレー
口之島港
鹿児島湾
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