出来レースの自民改憲案
朝日新聞23日朝刊によると、自民党憲法改正推進本部は安倍晋三首相の9条改憲案に沿って、戦力不保持を定める2項を維持して「自衛隊」を明記する方向で取りまとめる方針を決めた。
2面には大きな見出しで「9条改憲案 押し切る」とあった。自民党本部で開かれた党憲法改正推進本部では、9条改正をめぐる議論が始まってから3時間近くたった頃、細田本部長が発言を求めて、「わが党が意見をまとめずに提案もしない状況では、事態はどんどんながびくばかりです」として、安倍首相の2項を残したまま自衛隊を明記する案に集約するという考えを示した。
すかさず司会役の岡田直樹事務局長が「細田氏への一任」を提案。出席者から拍手で了承されたという。
私はこれを読んで、「なあんだ、出来レースだったのか」と気合が抜けた。最初から裏では「首相案でいく」と決まっているものを、如何にも論議しましたという形を見せただけである。「賛成」「反対」が飛び交う中、決まったというが、大事な事案なのにとことん議論をするという人間は自民党にはいないだということを示したものだ。
新聞によると、安倍首相の求心力が落ちて来たので焦って決めたのだというが、焦っても何も初めっから決まっていたことではないか。それにしても安倍首相の自民党内での力はそんなにも強いのかと改めて思った。
一首相の思いを実現させるためだけで憲法の大事な項目が修正されるというのは許してはならない。
安倍首相が歴史に名を残すためにどうしてもやり遂げたいことは、憲法9条の改悪であり、もう一つは「緊急事態条項」を入れることである。この二つの首相の悲願は、我々一般国民にとっては大きな不幸をもたらすものだ。
こんな拙速の出来レースで憲法改悪の提案をされてはたまったものではない。
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