葬儀って、何だ?―③―
この会場では葬儀は私たちのだけであった。葬儀の当日は会館で頼んでおいた出立ちの朝食を摂った。仕出しであった。その後棺の上に花束を置いた。
10時過ぎに導師が来て、10時30分に告別式が始まった。お経は30分ほど続いたが、例によって木魚と鐘の音と読経の音声が響き渡るだけで何を言っているのかはさっぱりわからなかった。禅宗なのでときどき「ナムカラヤーノトラヤノヤー」とか「般若波羅多」が耳に残るだけであった。
お焼香も4人だけなので簡単に終わった。最後の方で導師が大声で「喝!」と言った。読経が終わると導師は退場し、棺が引き出されて花を入れて最後の別れをした。3日たつのに今にも生き返りそうな表情をしていた。
火葬場まではクラウンの霊柩車で行った。私と妻は霊柩車に乗り、婿が運転する車が続いた。
八事の火葬場に着くと、この日は少ないらしくすぐに火葬に入った。導師が簡単な経をあげて納められた。
外のテラスで待っている人たちがいたが、私たちは休憩室に入った。平安会館の部屋でたった4人だが広い和室であった。若い人は灰になるまで時間がかかるそうで、1時間15分ぐらいで呼び出しがあった。
行くと棺を載せた台が引き出されて骨がのっていた。大きい骨は係りの人が骨壺に入れてくれ、私たちは二人一組になって小さい骨を入れた。
「喉仏がきれいに出ていますよ」と言ったので、見ると仏様の形をしたお舎利があった。「こんなにきれいなのは珍しいです」と言っていた。喉仏を安置する箱は無料であった。
我が家ではこれまでに喉仏がいくつかでた。生前の行いがよいと出ると言われるので嬉しかった。
会館にもどると時ごろから初七日の法要をした。そのあと導師から話があると呼び出された。部屋に行くとお布施のことであった。代理の僧から伝わっていたのだ。
婿が私たちの気持ちを説明した。導師は「お宅より収入が低い檀家でも55万円だしてくれますよ」と言った。お互いに気持ちを述べ合い、35万円で納得してもらった。その時分かったのだが、5万円は代理の僧に払われる金額だということだ。ということは50万円は導師の収入ということである。
精進落としは自宅で家族4人で行った。
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