血も涙もない生活保護費引き下げ
15日の朝日新聞によると、厚生労働省は14日、生活保護費のうち食費や光熱費などの生活費にあたる「生活扶助費」を来年度から引き下げる方針を決めた。厚労省原案では減額は最大で10%を超す場合もあるという。
生活扶助費の支給水準は5年に一度見直されており、この日の社会保障審議会の部会が大筋で合意した。
前回の見直しでは平均6.5%減額されており、物価の大幅な上昇は無かったものの、この1年余りの野菜や魚類など食費の値上がりが相当の打撃を与えていることは間違いない。
この秋以後天候の不順があって野菜の値上がりはすざまじく、以前は100円で安定していたものも2倍以上になっている。また魚もサンマ、イカ、サケ、イワシなど大衆魚やマグロのような高級魚まで不漁による値上がりが激しい。
私のような低年金暮らしの者は、スーパーに行くたびにため息が出て、買うのをためらっている。 生活保護を受けている人たちはそれこそ何にも買えないのではないかと推察する。
前回の6%減額の上にさらに10%減額するということは、単純に計算すると以前10万円貰っていた人は9万4000円になり、今度は84600円ということになる。物価が上昇しているのに1万5400円も少なくなるのではたまったものではないだろう。
生活保護に頼っているのは、シングルマザーや単身高齢者や働きたくても病気などで働けない人々などである。中には不正受給している不届き者もいるが、大半は好き好んで生活保護を受けている訳ではない。
そうした人たちの生活を守って行くのが政治の役目である。憲法第25条に書いてある最低限度の文化的生活が保障されなければならない。
しかし安倍政権は公明党とぐるになって貧しい者に厳しい。いわば政治ハラスメントである。一方彼らは大企業にはとんでもない減税を行い、さらに減税をしようとしている。金持ちに対しても増税をしないばかりか、彼らが株や不動産などで儲かる政策をとっている。
貧困者は自民党には票にならないし、得にならないから痛みつけようとするのであろう。
また、生活保護費を「水準均衡方式」によって算出することを、厚労省は「あくまで科学的、客観的だ」というが、この方式については以前から問題点が指摘されているという。委員の中からも「30年前に導入された水準均衡方式そのものが限界に来ている。最低限の生活水準を守れなくなるのでは」という指摘がでたそうだ。
低成長で格差が広がって行くばかりの今、低所得世帯の支出が減れば生活扶助費が際限なく切り下げられていくのだ。
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