早期教育はよくないという理由
何時の頃からか赤ちゃんや3歳位の幼児に英才教育をする人が増えていると聞く。先日もYahooニュースだったと思うが赤ちゃんに英語のCFを聞かせて英語耳を作るという記事を読んだことがある。そうした早期教育に対して「脳はバカ、腸はかしこい」の106ページに次のようなことが書いてあった。
―多くの大人たちは、子どもには早い時期から高度の教育を受けさせればよいと考えているようだが、それは効果がないどころが、かえって子どもの脳の正常な発育を阻害してしまうと言っている。―
―幼児期から英才教育を受けて大人になるダメな人間になる例はよくある。大人で「天才」と呼ばれた人は、子ども時代にボーっとしている人だったり、変人だったりする。―
確かアインシュタインやファーブルなど有名な人もそうだったと聞いた。昔の言葉に「十で神童、十五で才子、二十歳過ぎればただの人」というのがあった。そういうのは昔から知られていたようだ。
―「天才と呼ばれる人の大脳皮質が7歳までは薄いがその後一気に逆転現象が起きるという。天才と呼ばれる人の大脳皮質が薄いのは、この間に英才教育をうけずに「感覚的経験」を積んだからではないかと推測されるというのだ。
薄い大脳皮質も、7歳から急激に上昇し、11歳ごろにピークに達し、それ以降は急激に薄くなっていく。これをシナプスの「刈り込み現象」というと説明している。幼児期の英才教育では頭のよい子は育たないというのだ。
知能の高い子どもと平均的な子の差は、脳の大きさではなく、発達過程の脳の変化に関係するこごが示唆されている。」
この研究は、米国立精神保健所、小児精神医学科のF・ショー博士らによるもので、2006年、英科学誌「ネイチャー」に掲載されたものだそうだ。興味深い データである。―
藤田氏が経験した次のようなエピソードを紹介している。
―あるところに、幼稚園が2つあった。1つは建物も古く、幼児たちは裸足で走り回り、教室も汚れていた。その幼稚園では泥んこ遊びなど、自然に触れることをたくさん経験させるというテーマで幼児教育がなされていた。
もう一つの幼稚園はピカピカの清潔で近代的な建物で、早くから英語教育の徹底など英才教育がなされていた。
2つの幼稚園は100も離れていないところにあった。当然英才教育の幼稚園に希望者が殺到して泥んこの方は定員割れであった。藤田氏は泥んこ幼稚園の方に講演に行ったのだ。
ところが15年後再び講演に行ってみると、ふたつの幼稚園は逆転していたのだ。泥んこ教育をしている幼稚園の卒園生は中学以後成績がグングン伸びて有名大学に入学する割合が多くなって地域の評判が変わったのだという。―
泥んこ教育など自然に触れる教育を大切にする幼稚園のことはテレビでも放送されたことを覚えている。
私は泥んこ派で勤めているころは自然に触れることや遊びの大切さを強調してきた。赤ちゃんのころの這い這いの大事なことやテレビに子守をさせるのはよくないと言って来た。
「芸事始めは6歳の6月6日から」というのは理に適っている。3歳からではないのだ。幼児期には幼児にあった過ごし方をさせるのが大事である。親が詰めこみの教育をしては折角の才能を摘んでしまうことになるのだ。
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