講演―民主主義社会と報道の自由―②
国境なき記者団による報道の自由度調査。日本は2010年(民主党政権)は11位。安倍政権になってからの2017年は72位に落ちた。先進国では最悪の水準。それも日本のマスコミは報じない。
NHKは政治部が圧倒的な権力を持っている。経済部や社会部を押さえつけている。政治部は安倍政権に近い考えを持つ者が支配している。その筆頭が安倍首相お気に入りの岩田明子解説委員だ。
経済部がアベノミクス、社会部が安倍政権の政策によって起こった問題を取り上げようとすると、政治部が必ず横槍を入れ、握りつぶす。
オトモダチ籾井はNHK会長続投を強く望んでいた。しかし、良識ある職員やキャスター、ディレクター、OB、経営委員が必死に抵抗して続投を阻止した。
NHK政治部を牛耳っているのは、政治部の岩田明子解説委員だ。彼女は安倍首相が官房長官だった時、彼の私邸の近くにマンションを購入した。安倍氏の家に頻繁に出入りするようになった。それで安倍首相の母親である安倍洋子と大変親しくなった。娘同然に可愛がられた。それで安倍首相とも直接メールや電話ができるほど親密な関係になった。
彼女は、安倍首相べったりの小池英夫報道局長と組んで、NHKの事実上の支配者として君臨している。上田NHK会長を上回る権勢を誇っている。上田会長ですら抑えることができない。
NHKをダメにしたのは岩田明子解説委員が支配する政治部と小池英夫報道局長だ。これに対して社会部と経済部が、NHKをまともな報道機関にしようと奮闘している。NHK全部がダメな訳ではない。
私はナチズムの研究をしてきた。ヒトラーが権力を握る前と後のドイツの状況は、今の日本と同じだ。当時のドイツ人は政治に対する関心が薄かった。スポーツや娯楽に興じていた。その姿は安倍政権の危険性に目を向ける事なく、のほほんとしている現在の日本人と重なる。
このよううな危機的状況に対する対策は2つ。
一つ目は絶えず抗議の声を上げ続けること。
二つ目はNHK経営委員の選任を政府から独立した機関で行うよう法改正することだ。
質問
「11月3日2万人から3万人が集まった憲法改正反対デモを行ったのに、毎日新聞は報じなかった。赤旗だけが報じた。NHKの岩田明子を罷免させるにはどうしたらよいのか」
澤田さんの答え
「Change.Orgなどのネット署名で罷免を呼びかけることができる。しかし、安倍首相や岩田明子の報復を覚悟した方がいい。そして、それを問題しない人が多い現実がある。それでも諦めずに声を上げること、多くの人々に訴えることだ」
(澤田さんは沖縄に行ったことを話した)
私は高江のヘリパッド建設反対の座り込みに参加した。私はゴボウ抜きされて、機動隊員の人垣の中に放り込まれた。そこは機動隊の装甲車がエンジンをふかして排気ガスを吹き込んでいた。放り込まれた座り込み参加者が、私の目の前で呼吸困難に陥り、倒れた。救急車で運ばれた。機動隊隊員は知らんぷりをしていた。
30℃を超える猛暑の中、機動隊は水を私達に与えなかった。山城博治さんが猛抗議した。その後、山城さんは逮捕された。
沖縄から帰った後、私は呼吸困難と全身の痛みに10日間苦しんだ。排気ガスを長時間吸わされたことと、機動隊隊員に強く身体を掴まれたためだ。
日本は三権分立が崩壊している。マスコミも崩壊している。それに対してアメリカはまだマスコミが健全だ。トランプ大統領から、フェイクニュースばかり流すとホワイトハウスの出入り を禁止されたCNNやニューヨークタイムズ、ワシントンポストは今もトランプ大統領批判を続けている。トランプ大統領から名指しで攻撃されても全く平気だ。
パナマ文書をスクープした記者グループの一人が暗殺された。このような事が日本でも起こる可能性はないとは断言できない。安倍首相批判をするジャーナリストが暗殺されることが起きかねない。だから安倍政権べったりの右派メディアから攻撃されている伊藤詩織さん達を守らなければならない。
安倍首相と仲が良いと言われるロシアのプーチン大統領は、自分を批判するジャーナリストを次々に暗殺させた。彼は本当に悪魔だ」
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