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2017年11月22日 (水)

3歳でシナプスの形成が完了

 「脳はバカ、腸はかしこい」(藤田紘一郎著)の106ページに以下のようなシナプスの形成について書いてあった。興味深かったので取り上げた。

  人間の赤ちゃんの脳は牛や馬などの他の動物に比べると、大きく成長して生れて来るという。

  体重は大人の約20分の1なのに、脳の重さは大人の4分の1もあるというのだ。そんなに大きく生まれて来るとは知らなかった。

  母親の胎内で卵子が受精すると、その後42日間で赤ちゃんの脳は40%分も成長するそうだ。42日というと僅か1か月と12日程度である。42日目に最初の神経細胞(ニューロン)が作られて、120日後には、その数が1000億にもなるという。毎秒9500個のニューロンが作られているというから驚きである。しかしそれ以降は、そのもの凄い成長がピタリと止まるというのだ。

  生まれる60日前、ニューロンは互いにコミュニケーションを取り始め、軸索という神経突起が伸びてニューロン同士がつながり、シナプスという連結が形成されるのだそうだ。このシナプスは生後3年間で完成されるという。3歳の時点で1000億個のニューロンが互いに連結し、たった1つのニューロンにつき1億5000個ものシナプスが形成されるというのである。

 しかし、3歳以降に不思議なことが起こる。脳は、入念に作られた回路の多くを使わないように仕向けるというのだ。使われなくなった回路は使用不能となり、壊れ始めるという。こうして3歳から15歳までのあいだに使われなくなった無数のシナプスが失われ、16歳ごろには、回路の半分が使い物にならなくなり、修復も不能だというのだ。

 人間の成長過程で脳の中でこのような事態が進んでいたことは初めて知ったが、どうしてせっかく作った回路を使わなくなるのかについての説明はなかった。しかし大変興味深い話しである。

 ※参考:ニューロン

  脳を構成する主役は「神経細胞」である。神経細胞は、電気信号を発して情報をやりとりする特殊な細胞だ。その数は大脳で数百億個、小脳で1000億個、脳全体では千数百億個にもなる。

 一つの神経細胞からは、長い「軸索」と、木の枝のように複雑に分岐した短い「樹状突起」が伸びている。これらの突起は、別の神経細胞とつながり合い、複雑なネットワーク「神経回路」を形成している。神経細胞は、細胞体と軸索と樹状突起で一つの単位として考え、「ニューロン(神経単位)」とも呼ばれる。

 細胞体の大きさは、大きいものでは10分の1mm以上あるが、小さなものではわずか200分の1mmしかない。大脳では1立方mmに10万個もの神経細胞が詰まっている。そして脳全体の神経細胞から出ている軸索や樹状突起をすべてつなげると、100万kmもの長さになる。 この複雑で巨大な神経細胞のネットワークを電気信号が駆け巡り、高度な機能が生まれてくるのである。

 ※参考:シナプス

 軸索の末端は、こぶ状に膨らんだ形をしており、「シナプス」と呼ばれる。シナプスは次の神経細胞と密着しているのではなく、数万分の1mmほどのすき間「シナプス間隙」がある。軸索を伝わってきた電気信号は、シナプス間隙を飛び越えることができない。では、どうするのだろうか?

 シナプスでは、電気信号を化学物質の信号に変えて次の神経細胞に情報を伝達しているのである。電気信号が伝わってくると、シナプスにある小胞から「神経伝達物質」という化学物質が、シナプス間隙に分泌される。神経伝達物質が、次の神経細胞の細胞膜にある受容体に結合すると、電気信号が生じて情報が伝達されるのだ。シナプス間隙の伝達にかかる時間は、0.1~0.2ミリ秒ほどである。神経伝達物質および神経修飾物質はアセチルコリン、ノルアドレナリン、ドーパミンなど、現在までに数十種類が発見されている。

 ※詳しくはhttp://www.brain.riken.jp/jp/aware/synapses.html

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