北朝鮮はミサイル発射で自己破産しないのか?
北朝鮮が29日にまた北海道襟裳岬辺りを通る弾道でミサイルを発射した。ミサイルを作るのに一基いったいどのくらいのコストがかかるのか、ネットで調べてみたが確かなことは分からない。
日本経済新聞によると、韓国の試算として、「韓国政府の推定によると1回の弾道ミサイル発射費用は約8億5千万ドル(約690億円)。大半の住民に1年間最低限の食料を配給できる金額だ。故金正日総書記は不法な武器輸出だけで年1億ドル以上の外貨を稼ぎ、核・ミサイル開発に多額の資金をつぎ込んできた。」と書いている。
ミサイルと言っても大きさによりかかるコストはことなるが、大きなものだと住民1年間の最低限の食料を配給できる金額だというのだ。今年になってからでも何発も発射しているから、それを食糧に向ければ、これまでに300万人も餓死したと言われる住民を救えたはずである。
ミサイル1発と何十万人もの住民の命が引き換えられている構図が浮かびあがってくる。高英起氏の記事によると、北朝鮮では、軍隊ですら飢えに苦しんでいるという。それで飢餓に苦しむ兵士たちは、共同農場を襲撃し、農作物を略奪する事件が頻発しているというのだ。
飢えた兵士たちは、中国にまで侵入して強盗をしているそうだ。まもなく収穫を迎えるので農民たちは昼夜を分かたず厳戒態勢をしいているというのだ。でも、武装した集団に襲われればなすすべもないのだ。軍が絡んでいるので警察に訴えてもどうにもならないのだという。
農民たちは「あんな土匪みたいな奴を使ってどんな戦争ができるのか」と嘲っているという。
金正恩の前では猛烈な拍手を強制され、もししなかったり、いい加減なやり方をしたら、死刑になるかもしれないという程、徹底した抑え付けで秩序を保っているかに見える軍が、農民を苦しめるほど堕落しているとは信じられないが。
軍紀の乱れた北朝鮮軍。腹が空いた北朝鮮軍。先軍節などで見る一糸乱れね行進からは想像もつかないが、そこまで食糧に悩まされているのにどうして金が掛かるミサイルを惜しげもなく打ち上げるのだろうか。
トイレの付いた高級車で移動し、贅沢の限りを尽くしている金正恩には国情がつかめているのであろうか。
かつての日本がそうであったように、身の程を知らぬやり方で圧政を進めていたのでは、やがて自滅する他はないと思われるのだが。
可哀そうなのは、そういう政治指導者を頂いた国民である。
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かって中国共産党の指導者毛沢東は、中国国民が何千万人餓死しようとも、中国は核を保有すると宣言し、核武装の道を一気に突き進んだ。その結果、中国は米国、ソ連(当時)と対等に渡り合える大国の地位を得たのである。国民生活を犠牲にしても核兵器を保有するは何も北朝鮮の専売特許ではなく、中国がお手本なのである。通常兵器で米国に肩を並べるのは到底不可能である。貧者の核兵器と言われる所以である。北朝鮮は核兵器保有を背景に周辺諸国を恫喝し、自らの(不当な)要求を押し通すつもりなのであろう。暴力をバックにやくざがみかじめ料をかすめ取る理屈と何ら変わりがない。日本が北朝鮮の核保有容認は絶対に避けたい最悪のシナリオという理由がここにある。もし北朝鮮の核保有が容認されたら、日本の核武装も現実的な議論になるであろう。
投稿: toshi | 2017年9月 2日 (土) 09時10分