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2017年8月17日 (木)

ゴカイの血液が代替血液になるか?

 Yahooニュースを見ていて面白い記事を見つけた。釣り餌につかわれているゴカイが人間の血液の代替血液としての可能性があるというのだ。

  発見したのはフランスの研究チームで、ゴカイの血液に類まれな酸素運搬能力があることを見つけたというのだ。それを人間の血液の代用物として活用することで、人命を救ったり、手術後の回復を速めたり、移植患者の役に立ったりする可能性があるというのである。

  私は昔釣りに凝っていたころ海辺の釣りに出かけるとき、釣り餌屋でゴカイを買って餌にして釣っていた。ミミズとヤツデの合いの子みたいで血液で赤い色をしていた。ゴカイが外国にもあるのは知らなかった。

  研究したのはフランスの生物学者グレゴリー・レイモン(Gregory Raymond)氏である。彼は「ゴカイのヘモグロビンはヒトのヘモグロビンの40倍以上の酸素を肺から各組織に運ぶことができる」「また、すべての血液型に適合できるという利点もある」と話している。

  ゴカイの中のヘモグロビンは血中に溶けて存在し、ヒトのように赤血球に含まれているわけではない。だから血液型が問題とならないのだ。しかもその成分は、ヒトのヘモグロビンとほぼ同じだという。

  あのゴカイにそんなすぐれたはたらきがあったとは。血液型を問わないというのもすばらしい。

 レイモン氏率いるチームは2015フランス西部ブルターニュ(Brittany)地方の海岸線にある養魚場「アクアストリーム(Aquastream)」で、毎年130万匹以上のゴカイを生産しているという。

 医療の世界がゴカイに関心を持つきっかけは、2003年に欧州で狂牛病が大流行し、世界中でHIV(ヒト免疫不全ウイルス)がまん延したことで血液の供給に影響が出始めたことだったそうだ。
 
 2006年には大掛かりな研究が行われ、ゴカイの可能性が実証された。酸素を豊富に含んだゴカイの血液が人体に安全なことが証明されれば、敗血性ショックに対処でき、移植用臓器の保存にも役立つ。

 2015年、この代用血液の臨床試験が始まった。2016年、ゴカイのヘモグロビンはフランス西部ブレスト(Brest)の病院でヒトの腎移植10例に使用された。現在フランス全土で60人の患者がこの臨床試験に参加している。

 もうすでにフランスでは臨床試験までおこなわれているのだ。レイモン氏は「ゴカイから抽出した細胞外ヘモグロビンの特性は、移植した皮膚の保護や骨再生の促進に役立つばかりか、万能血液の誕生につながる可能性もある」と述べているそうだ。

 ゴカイなぜそんなにも多くのヘモグロビンを蓄えているのか。それは満潮時に海の底に沈んでいる間に多量の酸素を蓄え、干潮で水から出ても8時間以上も生き延びることができることにある。

 この研究が進んで安全に人間の血液の代替が可能になれば、大勢の移植患者を救う可能性があり、凍結乾燥されたゴカイの血液が、通常の輸血用血液の重要な代替品となり、戦場や災害現場で役立つ日が来るであろう。海に囲まれた日本ではゴカイの養殖は容易である。大きな産業に育つかもしれない。(AFP=時事記事を参考に)

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