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2017年7月15日 (土)

酒を飲むと海馬を萎縮させる?!

 酒をたしなむ者には気がかりなニュースである。酒を飲み続けると脳の海馬を萎縮させるというのだ。海馬は認知症にも関係があると言われる器官で、加齢とともに萎縮が進むと言われるが、飲酒によってもそれが起こるというのだからショックである。

 酒(アルコール類)はほどほどに飲めば健康にもよいと言われ、厚生労働省は日本酒なら1日180mlまで、ビールなら350mlという目安を示してきた。

 ところが下記の英国での研究によると350ml缶ビールなら1週間に6缶までだというのである。私は週に6日、1回に350ml缶ビールなら2缶飲む。だから1週間では10缶飲むことになる。やはり厚労省のお勧めが正しいようだ。

 英国の場合、イギリスの保健医療省が発表した「新アルコールガイドライン」は男女両方に対して、毎週最高でも14ユニット以下の飲酒を提言している。この量は350ミリリットルのビール8缶に相当する。パブ文化が盛んなイギリスにおいてこの量は非現実的とも見えるかもしれないが、下記のBMJの発表した論文はこのガイドラインの妥当性を裏付けているだろう。

 酒好きにとってどうしたものか、イギリスのガイドラインにするか、日本の厚労省のガイドラインにするか、悩ましいことである。日本人は欧米人に比べ肝臓のアルコール処理能力が低いと言われる。厚労省はその辺も加味しているのかもしれない。

 以下、研究を載せる。

 英医師会誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)」の発表された論文において、アルコールの消費が脳の構造と機能に関してどのような影響をもつかが調査されている。調査では、550人の男女が対象となり、一週間のアルコールの摂取量が計られ、30年間(1985年〜2015年)に渡る脳の認識機能が継続的に計測された。

  お酒を多量に飲む人については予想通りの結果が観測された。計測された30年間に渡りアルコールの消費量が高かった者(一週間に30ユニット以上の飲酒量)には、海馬の萎縮が高い確率で起こったのである。なお、お酒の1ユニットは、純アルコールの10ミリリットルもしくは8グラムを意味するといい、標準的なアルコール度数5%のビールであれば、200ミリリットルに当たる。

 海馬とは脳の記憶や空間学習能力に関わる部位である。また、海馬の萎縮に加え、言葉の流暢さにも衰えが早く観測されたという。

 ◆ほどほどでも脳に悪影響をもたらす?

 ただ海馬の萎縮は、驚くべきことに適量を守って飲酒する人の場合でも同様に観測されたのである。この研究では適量を守って飲んだ人は一週間に14〜21ユニットの飲酒量とされているが、全く飲まない人と比較すると3倍もの確率で海馬の萎縮が起こったのだという。

 こうした研究結果によると、どうやらこれまで適量と思われていた量を飲んでいても、アルコールの脳への悪影響は避けられないようだ。

 一方で、イギリス紙のガーディアンの取材に答えた英のブリストル大学で認知症の神経学を教えるエリザベス・クルサード氏は、この研究はアルコールが脳に損害を与えるということを証明するものではないと警告している。

 

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コメント

私の会社の先輩の中でも酒豪といわれた人達は、要は大酒飲みの類であるが、定年後間を置かず亡くなった。芸能界でも石原裕次郎、村田英雄、古くは水原弘は酒豪として知られていたが短命であった。私の認識としては暴飲は寿命を確実に縮めるが認知症までは思いが至らなかった。適量をたしなめばむしろ酒は百薬の長と信じて疑わないのである。それが適量でも海馬が萎縮するとなれば穏やかではない。でもお酒の効用を考えると多少のデメリットは問題ではないと思える。やはり暴飲はいけないと肝に命じたたい。

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