海上自衛艦の米艦防護の意味するもの
朝日新聞によると、安全保障関連法に基づき、平時から自衛隊が米艦などを守る「武器等防護」が1日、初めて実施された。海上自衛隊の最大級の護衛艦「いづも」が米海軍の貨物弾薬補給艦の防護を房総半島沖で始めたのだ。
2日にかけて四国沖まで一緒に航行し、「いづも」はシンガポールで15日開催される国際観艦式に向かうという。
北朝鮮と米国の駆け引きが続く中とはいえ、この時期に安保関連法に基づく任務を実施したのは、日米の緊密な関係を誇示するためだと言われる。それなのに今回の実施については、政府は公式発表はしないというずるさだ。
今回の出動は米軍の強い要請によるものというが、安倍政権にとって安心して米艦防護に踏み切る絶好のチャンスだったわけだ。太平洋を東京近辺から四国沖までという何事も起きない海上を航行するのだ。それでいて米艦防護日米協力の実績を積むことができる。また日本国民やアジアの国などにアレルギーを弱める効果も期待できるのだ。
新聞によると、「いづも」という最大級の護衛艦を使ったことで大きなPRとなると防衛省幹部が語ったという。
今回はいわばお披露目に過ぎないが、今後日本海などで米軍の要請があれば出動することになる。共産党の志位委員長は「米国が北朝鮮への軍事攻撃に踏み切った場合、自衛隊が自動的に参戦することになる」指摘したが、そうならないことを望む。
安保法制によって、南スーダンへの自衛隊駆けつけ警護、そして今回の米艦防護と着々と自衛隊が戦争へ進む道を開きつつあるのだ。安倍首相は「圧倒的な数を持つ今、憲法改正を進める機が熟した」と発破をかけた。安倍政権によって平和と国民生活を守る外堀(9条解釈変更閣議決定、特別秘密保護法、安保法制、武器輸出3原則破棄、共謀罪法案など)は完全に埋められ、あとは本丸(憲法改悪)を残すのみとなったことは間違いない。
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北朝鮮が聞くに耐えない過激な言葉でアメリカを威嚇し、かつ戦争になれば日本が真っ先にその被害を受けると恫喝している。先日の北朝鮮のミサイル発射では東京メトロの地下鉄が一時ストップした。こうなると本当に現行憲法の遵守で平和が守られるかと不安に思う国民が増えるのも当然である。森友問題も、今村大臣の失言問題もそんなことをとやかくいっている場合ではないと政権側は言わんばかりである。国内で都合の悪い問題が起これば外に目を向けさせる。今日もテレビは北朝鮮の脅威が話題の中心である。安倍総理はある面ついていると言える。
投稿: toshi | 2017年5月 3日 (水) 07時10分