加計学園問題ー誰がどう見ても親友に便宜を計らった
地域限定で規制緩和を認める「国家戦略特区」で、学校法人「加計学園」が運営する岡山理科大学の獣医学部を愛媛県今治市につくることが、今年一月に認められた件で、前川前文部科学事務次官が、朝日新聞や週刊文春の取材に応じ、また、25日には記者会見をした。
獣医学部の新設については、もともとは愛媛県、今治市と加計学園が「構造改革特区」で、2007年から14年にかけて、15回も提案したが、認められなかったという経緯がある。
それを2015年6月に「『日本再興戦略』2015」が閣議決定し、その中に獣医学部の新設を認める条件が入れられた。そして今治市が国家戦略特区になった。
京都産業大学が新設を提案したが、特区諮問会議(議長は安部首相)が「空白地域」に限り新設を認める方針を決め、京都産業大学は断念した。
結局応募できたのは加計学園だけとなり、17年1月に国家戦略特区の事業主体に認定されたのだ。それと合わせて今治市は16.8ヘクタール(約37億円)の土地を無償で提供した。さらに愛媛県と共に96億円を補助する予定だという。
この一連の流れを見ると、誰がどう見ても、安倍首相の無二の親友である加計氏が経営する加計学園のために、便宜を図ったことがミエミエである。いかにも合法的な手続きを踏んで瑕疵がないように見せかけた巧妙なやり方である。
文科省で作成された文書について、野党の国会での追及にも、真正面からは答えられないので、「怪文書には答えられない」とか「そんな文書は存在しない」など、例によって知らぬ存ぜぬを決め込んでいる。
しかし、ここにきて前川前文部科学事務次官の勇気ある証言によって、文書の存在がはっきりとし、しかも前川氏は「総理のご意向」に圧力を感じたと言っている。また学部新設は根拠が薄弱だが既定のことであったと言っている。開学時期についても「内閣府の回答は最後通告に近いもので『18年4月の開学は決まったことだ』(と伝えられた)。そこに総理のご意向も出て来る」と話したそうだ。
政府広報紙と言われる読売新聞は、週刊文春に前川氏の証言が載るのを知って「前川氏のスキャンダル記事」を急遽載せた。政府関係筋からのリーク記事だと言われる。
前川氏は国会での証人喚問にも応じると記者会見で言ったので必ず実現してほしい。森友学園問題と加計学園問題の究明は喫緊の課題である。思えば政府自民党などがこういう問題で「共謀」しても、数をたのんで知らぬ存ぜぬで通してしまうのは法治国家と言えない。政府は広く国民のために公平な行政を行うべきである。
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