憲法を考える「70年変わらない意味」を読んで―①―
5月2日の朝日新聞「憲法を考える 『70年変わらない意味』」は勉強になった。東京大学準教授のケネス・盛・マッケルウェインさんの話は面白かった。
米シカゴ大学を中心にした「比較憲法プロジェクト」というデータがありそれを使って研究をいているという。米国憲法が施行された1798年以降に存在した約900の成文憲法を英訳し、データ化したものだという。
まず、日本の憲法は、国際的に比較して全体の文章が短いという特徴があるという。英訳の単語数は4998語だ。最も長いインドは14万6千語もあるという。長さでいうと日本は下から6番目だそうだ。
もう一つの特徴は世界で「最長寿」だということだ。制定後70年間一度も改正されていないのだ。
日本の憲法が短いのは、基本的な理念が書いてあって、統治にかんすることは「法律で定める」としている場合が多いからだそうだ。ノルウエ―の憲法は選挙区まで憲法で定めているという。憲法に法律で定められるようなことまで入れてしまうとどうしても改正をする機会が多くなるのは目に見えている。
日本国憲法は「人権」については、制定当時の国際水準からみて、多くの記述がなされていて、先進的であったという。だから憲法を改正するという必要性もなかったというのだ。
つまり、「人権」に手厚く、「統治」は法律に任せていることが、改正する必要がなかった大きな理由だという。
憲法9条をめぐって国論を2分して来たことも改正がされなかったことにつながっているという。
改正されなかったのは、改正には衆参両院の2/3以上の発議が必要というのハードルが高いからで、自民党は1/2にせよと言っているが、日本と同じ2/3ルールの国は78%もあり、3/4が11%、3/5が3%で、1/2はたった6%だという。それでも多くの国で憲法が改正されていると指摘している。自民党に騙されてはいけないと思った。
国の最高法規である憲法が長期にわたって改正されていないということは、その国の政治や経済が安定していることを示し、必ずしもマイナスとは言えないと述べている。
安倍首相は憲法制定70周年になり、国会で2/3以上を持つ今こそ機は熟したと檄を飛ばした。何とかして悲願の憲法改正しようと目論んでいる。3日のNHK世論調査では憲法改正賛成が反対を大きく上回っていた。でも、この数字は操作されていると感じた。トランプ式に言えば「ウソだ」ということだ。
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