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2017年4月24日 (月)

共謀罪について学ぶ講演から―①―

 今国会で審議中の「共謀罪」。「テロ等準備罪」という名称に惑わされている人が多いようだ。日本弁護士会の海渡弁護士の講演をまとめたものを友人が送ってくれた。筆者は竹山氏。戦前の治安維持法にさかのぼって話されているので大変参考になる。

            ★★海渡弁護士の講演★★

 ★私は、4月6日、日比谷・野外音楽堂での≪共謀罪法案の廃棄を求める4・6大集会≫で、主催者・共謀罪NO!実行委員会の代表としてスピーチしたが、持ち時間はたった3分であった。今日の講演は90分、日比谷の30倍、そのあとの質疑応答30分と、共謀罪について、今日は思いの丈を存分に語れる。

 ★共謀罪との個人的なかかわりは・・・・1999年にスタートした国連条約の作業だった。その年の4月、国連機関があるジュネーブ(人権問題)ではなく、ウイーン(犯罪防止、原子力組織犯罪等)に行った。そこで、盗聴法が衆議院で強行採決されたことを知った。「悪法は連鎖する」と言われるが、いまその通りの様相だ。

 ★テロ等準備罪か共謀罪か、どちらを使うか・・・・読売、産経、日経には、共謀罪という表現は一切ない、NHKもそうだ。それ以外ではTBSや、テレ朝は、「テロ等準備罪、いわゆる共謀罪」と、どちらにも与した表現をしている。3月21日の朝日新聞・・・・ここまで話し始めたところで、会場のスクリーン画面がフリーズし、一時中断となった。しばらく修復出来ず、レジュメ≪共謀罪についての新Q&A≫に沿って講演を続けた。

 ★共謀罪の立法化は、どのような経過で提案されたのか・・・

 日本は国連(越境組織犯罪防止)条約を批准するため、共謀罪の立法が不可欠と繰り返し言っている。政府は、かつて、共謀罪の立法事実(理由)はないと認めていたが、最近になって、東京五輪のテロ対策と言い出し、くっつけた形だ。

 そもそも、共謀罪はテロ対策が目的ではない。その対極にある金銭や物質的利益を取り締まるためだ。エジプトは2007年7月に、国連条約にテロを入れるべきだと主張したが、多くの国がテロ対策を入れることに反対した。米、英、仏・・・日本も米国と同じ主張をした。187か国が既に国連条約を批准している。その中で、未批准の日本は大きな恥である。しかし、無理をせずとも批准は出来るのだ。国連条約を批准するために、新しく共謀罪法をつくったのは、ブルガリアと、ノルウエーの二カ国だけであり、全て共謀罪のなかった国々が批准している。

 ★国連条約(越境組織犯罪防止)とは、どのような条約か・・・「パレルモ条約」と呼ばれる。1992年、イタリアのシシリアで、マルコーニ判事がマフィアに暗殺された。条約案が国連総会に提出され、最終的に2000年12月、「越境組織犯罪防止条約」として採択された。この条約がパレルモで起草され、署名されたことから、こう呼ばれる。どの程度の実効性があるのか。マネーロンダリングを取り締まる、国境を超える犯罪を取り締まる、そのどちらかを取り締まる。

 ★1999年、日本政府は共謀罪に反対し、アドホック委員会に修正案を出した。その理由書で、犯罪は既遂か未遂段階に至って初めて処罰されるものであり、共謀や参加については特に重大な犯罪に限定して処罰されるべきであり、共謀罪や参加罪を導入することは日本の法原則に馴染まない。いま、野党や市民が言っていることと同じことを、当時、日本政府は主張した。

 ★しかし、2000年7月、日本政府の態度は一変した。アドホック委員会で日米は合意した。(英国、米国は共謀罪のある国の筆頭)。600数個の犯罪対象を並べ起草の過程で、日本政府と米国、カナダとの間で行われた非公式協議。すべての公電は、真っ黒に塗られ完全不開示。見て来たように言えば、「日本も、このグループに入れば、捜査情報が今まで以上に手に入るから、このグループに入らないか」と。外務省も、法務省も、国際捜査情報を貰えるなら・・・と約束したに違いない。こう推測する裏付けは、2016年8月、菅が決めたと朝日新聞は報じている。

  野党の強い要求にかかわらず協議報告書は国会に提出されず、政府は国連からの要請で共謀罪の新設を行うと説明してきた。内容をひた隠しにする姿勢からは米国政府と何らかの密約があったと疑わざるを得ない。

 ★キャロライン・ケネディ大使は、日米合意を、「喜ばしい」とコメントした。余計な御世話だ。先に、187か国の中で2カ国だけが新しく共謀罪法を作ったと説明したが、韓国の場合は、迷っていたが、共謀罪を作らず、2015年に185番目の国になった。

 

 

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