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2017年3月22日 (水)

共謀罪法は一般市民に無関係ではない―①―

 共謀罪法案が閣議決定され、国会に提出されようとしている。共謀罪は一般市民には関係ないと思っている人が多いようだが、権力が市民を監視しようという恐ろしい法案だ。

 友人が参考資料を送ってくれた。 あの「スノーデン」という映画にもなったスノーデン氏へのインタビュー「スノーデン、監視社会の恐怖を語る」というもので、「独占にンタビュー全記録」(毎日出版)をもとに、市民社会フォーラムに色平哲郎氏(長野県在住の医師)が投稿されたものだという。

 

♦♦フランスの「ビッグブラザー法」

 「無差別監視はテロを防げずにいます。なぜなら根拠のある疑いによって的を絞り、被疑者を捜査していくのではなく、私たち全員を潜在的な被疑者として扱っているからです。情報を大量に集めることで、捜査機関は満足してしまい、むしろ情報を処理しきれず、それ以上何の行動も取らない習性が生まれているのです」

 これは(2015年11月の)パリ襲撃事件の前日、(カナダ東部の)クイーンズ大学のホールを埋め尽くした聴衆に向かってスノーデンが強調していた点だった。24時間後、事態はどうやら彼の主張どおりに推移してしまったらしい。(130ページ)・・・・・

♦♦日本でいえば、アムネスティのような人権団体や、原子力発電に反対するネットワーク、平和運動、労働組合、天皇制反対、死刑反対、反貧困、海外援助、歴史認識・教科書問題、性差別反対、障害者差別反対、民族差別反対などに携わるグループ、政治の対応を求めるあらゆる動きや人間の集まりが対象となる。いや、すでになっているのだろう。

 安倍政権の狙いはまさにここにある。

♦♦スノーデンはさらに具体例を挙げた。

 「諜報機関はあなたのメールを読み、フェイスブックの書き込みを見て、電話の内容を聞いているだけではない。JTRIG(英国の諜報機関GCHQの合同脅威調査諜報グループ)はネット上の世論調査、投票、評判、会話の操作にも知恵を絞っています。どうやったら世論調査に影響を与えられるか、どうやったら投票行動を変えられるか、新聞記事へのフィードバックやオンラインのチャット、あらゆるネット上の議論の場に潜入しようとしている。

 映画でもその様子を描いてあった。

 世論に影響を与えそうなリーダーが現れると、その人物のアカウントに入り込んで写真を取り替えたり、仲間内で評判を落とすようなネット行動をとったりもする。気に入らない企業に対しても同じことをします。これが表現や報道の自由の世界チャンピオンを名乗ってきた西側民主主義国のやっていることです。英国政府が税金を投入している事業です。サイエンス・フィクションではない。現実なのです」

♦♦「模範的」市民も標的に

こうした広範な世論操作から無関係でいる人はいない。しかし、もしかしたらこう考える人もいるかもしれない。自分は権力に歯向かうようなことはしないから攻撃されることはない。むしろ上から言われたことには協力するし、出る杭にはならないから大丈夫、と。そういう人に、スノーデンはおそらくこの記事を差し出すだろう。私にしたように。(145ページ)・・・・

♦♦監視の誘惑は国家から個人まで浸透し、秘密の闇のなかで、国家もシステムも人間も腐敗していく。これはNSAに限ったことではない。インターネットとソーシャルメディアは監視の可能性を飛躍的に拡大した。スマートフォンの通信記録は「ビッグデータ」として知らぬ間に企業に使われ、フェイスブックは他人の生活をのぞき見したい心をくすぐる。人々は知らぬ間に情報に惑わされ、情報に操作され、情報を利用して力を得ようとする。現代はまさに「監視の黄金時代」であり、監視したい、監視されたい人間を量産しているといえよう。

 便利になったように見える今のネット社会は恐ろしい一面を内包しているのだ。

 

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