「スマホ育児」問題の根っこ
携帯電話が普及し始めてどのくらいになるのであろうか。私が携帯電話を持つようになったのは遅かった。スマホに切り替えたのが3年前である。今ではガラ携と呼ばれる携帯電話も機種が少なくなり、いろいろなタイプのスマホの時代になった。
パソコンが出始めた頃は3年で大きく変わると言われていたが、スマホはもっと速いように思う。どんどん新機能が増え新製品が出ている。
今や小学生から高校生までスマホを持っている人が増えていてさまざまな問題も引き起こしている。そんななか、先日の朝日新聞やYahooニュースには「スマホに育児をさせないで」という警告記事が出ていた。
忙しい母親が赤ちゃんや幼児にスマホを持たせてそれでおとなしく遊ばせるというのだ。買い替えたとき、古いスマホを与えることもあるようだ。
<子どもたちは、スマホとどう接しているのか。2015年に公表された総務省情報通信政策研究所の調査によれば、0歳から6歳までの未就学児のスマホ利用では、YouTube などの「動画閲覧」や「写真閲覧」が多くを占めていた。知育アプリの利用率も高く、未就学児の約4割が使用。小学校1〜3年になると「ゲーム」が最多というデータが出ていたという。>
スマホは動画が見られるし、テレビもある。ゲームはいっぱいあるし、音楽を聴いたり、ピアノを弾いたりすることもできる。幼児がメールやニュースを使うことはないが、遊ぶにはいい玩具かもしれない。
それにスマホは操作性もよくなっている。<スマホは小さな手でも持てるサイズで、キーボードを使うパソコンや携帯電話と違い、子どもでも直感的に操作できる。加えて、文字が読めなくても、今は音声認識機能が向上しているので、タイトルをつぶやくだけで、動画が検索できてしまう。>
30年以上も昔、「テレビ育児」ということが言われた。今のスマホ母親はテレビ育児で育った世代かもしれない。時代が変わって「スマホ育児」だというわけだ。
「スマホ育児」については、すでに2013年、公益社団法人日本小児科医会は「スマホに子守りをさせないで!」と提言を示したポスターを全国の病院に5万枚配布したという。このポスターは「画面を使ってあやすと育ちをゆがめる可能性がある」「親子の会話や体験を共有する時間が奪われる」など、スマホを使った育児に警鐘を鳴らすものだったそうだ。
今年は2017年だからもう3年も経過している。今では「スマ放置」(子どもにスマホを渡して遊ばせておくこと)という言葉も登場し、議論を呼んでいるという。我が子を文字通り「放置」する状況に陥らないためには、親はどうすればいいのか。子どもを持つ親は真剣に考えるべきであろう。
しかし、この「スマ放置」問題は、社会問題だけではなく、「政治の問題」である。安倍政権になって、大企業と富裕層優遇政策をとるようになり、社会の格差がさらに進み、貧困層が拡大している。
「子どもの貧困」が叫ばれ、生活のために子どもを放置せざるをえない親が増えているとNHKスペシャルでは言っていた。現在は個人の責任だとされているが、本来は「政治の貧困」から来たものだと捉えるべきである。
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