「NHKアサイチ」で見たオノマトペの活用
30日のNHK「アサイチ」をたまたま見たが面白いヒントを伝えていた。
その一つは、オノマトペの活用である。朝日大学准教授の藤野良孝さんが出演して指導をしていた。
ある幼稚園で、横置き跳び箱を跳ぶ授業で、オノマトペを使って指導したら、全員が5段以上を跳べるようになったという。その様子を見せていた。「サアー」と言って助走し、「タン」と言って踏切板を蹴り、「パッツ」と言って跳び箱に手をつき、「トン」と言って着地するのだ。
また、同じ幼稚園で、鉄棒の逆上がりを指導するときに、鉄棒を握るときに「ギュッ」と言い、足を上げるときに「ピタッ」と言い、回るときに「クルン」と言うのだ。それによって逆上がりの苦手な子も回れるようになった。
さらに同じ幼稚園で、忘れ物が68%の幼児にあったのが、オノマトペを使うことによって18%ほどに減ったという。先生が明日もって来るものを伝えるときに、まず、「ピッ、ピッ、ピッ」と言ってから、その後にもって来るものを言うのである。5種類のものをもって来るように言ったが、次の日忘れた幼児は27人中7人に減っていた。
このオノマトペは大人にも使えるというから、今度買い物に行くときに試してみようと思う。
藤野准教授は、ある家庭に入って、料理のときに使えるオノマトペを指導した。大根おろしをスムースに作るには、大根をおろし金で削るときに「サッ、サッ、サッ」と言いながら大根を下すのだ。それで手際よく下すことができた。
卵を片手で割るには、「キュッ」と言って卵を握り、「コン、コン、コン」と机に卵を3回叩き、「カパッ」と言ってボールの中上で殻を割るのである。
調べてみたら、藤野准教授はオノマトペと仕事や動作や話し方などの関係を研究しているという。
オノマトペには表現を豊かにする以外に、そんな実用的な効果があることは初めて知った。堅い瓶の蓋を開けるときは「グッ」と言って開けるとよいそうだ。また、緊張をほぐすのに「グーツ」と言うとよいという。
年をとってから、私は何かの動作を起こすとき、「よいしょ」「ヤッ」などのかけ声を使うことが多くなった。ズボンをはいたり、物を取ったりするとき、自然と声がでる。でも、これは自然なできごとなのかもしれない。オノマトペを使うことで動作がしやすくなると考えるとよいのだろう。
日本語には5000ものオノマトペがあると言われる。英語の1000とは比べ物にならない。それだけ表現を豊かにできるのかも知れない。これからは意識してオノマトペに注意を払ってみようと思う。
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