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2016年12月21日 (水)

第11回東京地方自治研究集会での渡辺名誉教授の講演

友人が送ってくれた、12月11日に開催された第11回東京地方自治研究集会での渡辺治一橋大学名誉教授の講演のまとめを転載する。この研究集会のスローガンは「憲法を守り、活かして、暮らし・福祉を充実させる東京へ」。

 渡辺名誉教授の演題は「安倍政権の新段階と対抗する運動への展望」で90分の講演であったそうだ。マスコミは報じないし、地方にいては分からないことなので紹介することにした。筆者は竹山氏。

、      講演のまとめ

★2015年は戦後70年の大きな節目になった。戦争法(安保関連法)で、日本を大きく変えることに・・・しかし、(市民の)反対運動で選挙前の発動は出来なかった。そして、今年の参院選で、改憲の策動は新段階に入った。先の参院選に二つの顔がある。

 ひとつは、改憲勢力が三分の二の多数を占めて、容易ならぬ事態が現出したという顔であり、いまひとつは、戦後初の共闘が実現し、11の選挙区で勝利した。安倍改憲を阻む力が見えたという顔である。どちらの顔が勝るか、勝負はこれから・・・、なぜ二つ目の顔ができたのか、どんな力に依拠したのか。

★安倍はなぜ勝ったか。共同と「地域」が焦点、構造改革で疲弊した東北や信越などは、国の財政出動に期待し、自民党が得票し前進した。中国、四国、北信越、九州、続いて、東北、北関東の順。自民党得票率40%以上の県は19県となり、盛り返した。

アベノミクス第二の矢で、自民党離れを食い止めた。自民の利益団体動員、組織選挙であった。財政出動では地方の衰退は復活しない~「仕方ない支持」、第三の矢は地方をさらに疲弊させる。人口の減った32の選挙区は自民の大票田、自民も伸び、野党も伸びた。

大都市圏は、アベノミクスの恩恵を受ける富裕層、大企業の管理職、正規従業員層の支持などで、東京、埼玉、神奈川の得票率が増加した。また、軍事大国化、改憲を隠し、アベノミクスの是非に争点をそらせたことも勝因である。野党は共闘出来ず、「地域」が、戦場になった。

★戦後初の共闘はなぜできたか。戦争法反対の共同が選挙共闘に繋がった。安保闘争以来、55年ぶりの共同(総がかり)が成立した。安保闘争の共闘とは異なる三つの新しい特徴がある。1)労働団体、市民団体、市民の共同、安保反対・自衛隊反対と安保賛成・自衛隊賛成とが、安倍の日本に反対するという共同であり、2)共同が市民を励まし新しい組織、運動を生んだ。地方議会の意見書、405議会の意見書(2013年3月以降)、慎重393議会など地域が立ち上がった 3)戦争法強行採決後に廃止の共同が進み、総がかり2000万人署名運動、市民連合の結成、政党への働きかけなどに繋がった。

★参院選後の安倍改憲戦略と運動の課題~「地域」から全国へ。安倍政権は戦争法発動を不退転の決意で、9条の実質破壊と改憲への地ならし。自衛隊の南スーダンPKO新任務、限定的集団的自衛権の発動訓練、早期に衆院選を行い、再び改憲勢力三分の二を確保して明文改憲へ、自民党総裁任期延長と安倍政権の下での改憲実行を目指している。

安倍改憲の本命と弱点。改憲の本命は9条、これがある限り、(戦争できる)「普通の国」、にはなれない。そこで、いろいろな術策を弄する、が、改憲実行に三つの困難がある。①改憲多数派の要である民進党が反改憲共闘に組み込まれている ②野党の選挙共闘をこのまままで衆院選をやると三分の二どころか、政権存立が危うくなる ③改憲の実行部隊、安倍の取り巻きの改憲派と改憲多数派形成の矛盾、日本会議の勢力と改憲多数派のバランスの上での安倍首相、自民党改憲草案では、改憲多数派形成はできないが・・・

安倍の改憲戦略は、共同を分断すること、改憲多数派の形成することにある・・・野党共闘の分断を画策、共産党を攻撃する。公明、維新との改憲合意。加憲の取り扱い。9条改憲案、「合意のとれそうな」改憲条項案の作成。9条以外の緊急権、新しい人権なども探る。

★改憲を阻み、安倍政権に終止符を打つ、運動の課題~今こそ、東京の出番である。憲法の実質改悪である戦争法の発動を阻止し、廃止の闘いに全力を投じる。沖縄辺野古、高江基地の建設阻止。戦争法発動阻止の闘いが盛り上がる間は、9条改憲は出せない。

改憲を阻むには、安倍政権を倒すことに尽きる、そのためには平和と暮らしを車の両輪に、平和と憲法の闘いの柱だけでは安倍政治は倒れない。国民の 「仕方ない支持」を打ち破るには、アベノミクスに代わる共同~暮らし、総がかりが必要不可欠である。

市民と野党の共同を強化し、共同の第四段階~大都市圏の出番である。参院選での受け皿を拡大する。平和と暮らしの二本柱で共同を。

衆院選で共同の持つ可能性。295の選挙区で、野党合計得票率が上回る60の意義。32の一人区での127小選挙区の意義。

憲法運動の新たな課題と役割、9条の持つ力を学び、広める。憲法の全体が、「戦争しない国」、「福祉と平等の国」を想定し作られている。安倍改憲に立ち向かう体制を強化する。九条の会は第六回全国交流討論集会で新体制~世話人体制。地域の会の新設、事務局の拡充、全世代型への展開が必要。

中国脅威論、北朝鮮脅威論を口実とする改憲論、戦争法必要論に積極的に反論する。戦争法、改憲はアジアの平和と安全を確保しない。アジアの紛争激化の火種、口実であり、辺野古や沖縄基地はアジアへの脅威の備えにならない。9条に基づく平和の構想こそ、アジアと日本の安全を確保する道。

★むすびに代えて、参院選は、戦争反対の共同が、安倍改憲を阻み、安倍政治を変える力であることが証明された。共同を豊かにし、強くする課題を示した~受け皿をもっと大きく、平和と福祉の料理を。共同をめぐってはジグザグがある。私たちが主人公であり、観客になってはならない。今度は大都市圏、東京の出番、東京を変え、日本を変える。 以上。

 

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