昭和区平和のつどい、伊藤眞弁護士の講演から―⑩―
「平和主義」とは何か
日本国憲法の恒久平和主義
●徹底した恒久平和主義(第九条)
1項・・「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」
これは世界標準である
2項・・「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」
この2項こそ特に重要である
●平和的生存権(前文第2項)
「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」
全世界の国民がみな共通にという高邁な規定となっている。
これまでの政府解釈
◎自衛戦争を含めたあらゆる戦争の放棄(9条)
・戦力の不保持(9条2項前段)
・交戦権の否認(9条2項後段)
→海外での武力行使はできない。
→集団的自衛権は行使できない。
つまり自衛の名目での海外での武力行使を否定する。
自衛権はあるので、日本が攻撃されたときに国民を守るために必要最小限の実力行使(個別的自衛権)は認められる(政府見解)。
《個別的自衛権と”自衛”の名目の武力行使を区別》
交戦権
・戦を交える権利という意味でなく、交戦国が国際法上有する種々の券臨お総
称を意味するも の(政府答弁書1980.12.5)
・相手国兵力の殺傷及び破壊、船舶の臨検及び拿捕、占領地行政等にかんする
う権利
【自衛隊には交戦権がなく、海外で敵の殺傷ができない部隊であり、法的には通常の軍隊とは言えない】
平和の作り方(平和構築法)
・軍事力(武力)によらない平和(憲法体系)
ー平和的生存権による信頼関係構築(敵をつくらない)
-軍事力以外の国際貢献(人を殺さない国)
・軍事力(武力)による平和(安保法体系)
-日米同盟強化による抑止力向上(敵の存在を前提)
-軍事力による国際貢献(平和のために人を”殺す”国)
◎戦後日本の平和の歴史はこの2つの体系のせめぎ合いであった。自衛隊と安
保条約の存在はあったが、それでも憲法体系を無視できず、一定の歯止めをか
けてきた。
集団的自衛権とは
◎時刻と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されて
いな いにもかかわらず、実力をもって阻止する権利(1981年5月29日、政府
答弁)
◎(2015.7.1閣議決定による解釈変更)他国に対する武力攻撃が発生し、これに
よ り我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底
から覆される明白あ危険があること。
※明白な危険は、ときの政府が総合的に判断する
↓
《自衛の措置として海外での武力行使容認》
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