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2016年11月22日 (火)

後輩に聞く教育の現場

 後輩の現職教師が送ってくれた教育現場の現状を以下に紹介する。

 「教室に軍靴の音が聞こえる」というショッキングな見出しである。刺激的なタイトルで驚かれたことでしょう。「何を大げさなことを言っているのか?安保法制が実行段階に入り、南スーダンへの駆けつけ警護が発動したとはいえ、そこまで軍国化が進んでいることはないだろう」と思われるかも知れせん。しかし、今、学校で起こっていることを冷静に考えると、学校で子どもたちや教師にかけられる指示や命令は、私には軍靴の音に聞こえてなりません。

 全国津津浦々で「学校スタンダード」というものが教育委員会を中心に進められています。私の職場のあるA市では「A市スタンダード」と言っていますが、学びスタイルとか別の呼び名で行っているところも多いようです。

 「学校スタンダード」は、「standarad」という英語が意味する「標準」とか「基準」といったものを「学習基準」や「校則」「学習スタイル」を地区・市内の全校を画一的に指導することで、大量退職を終え、年齢層の大幅な若年化を迎えた学校原画で、効率的な学校運営・g買う衆指導を進めようという意図で行われているものです。

 教育内容への明らかな行政の介入ですが、大きな権限を持つ新教育長のもと、あちことで強力に進められているのが実態です。

 「ゼロトレランス」というものもあります。これは「zero」「tolerance(寛容)」の文字通り、不寛容を是とし、細部まで罰則を定めそれに違反した場合は厳密に処分を行う方式です。広島の中学生の自死で大きな問題になった学校でも行われていました。

 こういった「ゼロトレランス」や「スタンダード」で、子どもたちに一体どんな「力が育つのでしょうか。A市スタンダード」では、授業の始まりと終わりに立って挨拶を求めています。その際、「語先後礼」といって、「お願いします」と言ってkら頭を下げることを求めています。

 「筆箱には、鉛筆5本、赤鉛筆と物差し、消しゴム1つずつ」というきまりもあります。「右手が耳につくように挙手をする」なんてものまであります。「スタンダード」をきっかけに、校則の見直しや厳選と言ったことが行われていた学校に再び「きまり」があふれかえるようになりました。

 子どもに要求されるのは、そお¥のきまりがどういう必要から生まれ、それを守ることでどんあ便利なことがあるのかという理解ではなく、訳もわからないけれど、黙ってやらされることに従う従順さです。

 日本の学校では、「子どもの権利条約」は死文と化しました。元々、政府はまともに実行するつもりはありませんでした。子どもの権利委員会から幾度、勧告を受けても放って置きました。それだけでなく、「子どもの権利」を尊重する世界の流れに逆行する「スタンダード」や「ゼロトレランス」が子どもたちに求める従順さは、元々人間が持っていた「パイオニア」の側面をも否定しています。「学習テスト体制」や「新指導要領」が描く子ども像も一部のエリートが大部分の大衆を引っ張る社会を想定しています。

 これは、かつて日本で幾多の人権を圧殺し、無辜の民を戦禍の渦に放り込んだかつての軍国主義とどこが違うのでしょう。

 教室にいる私の耳に、軍靴の音が響いて仕方がありません。

※戦時中の教育は、画一化、お上の決めたことに有無を言わさず従わせることであった。挨拶の仕方とか筆箱の中身まできまりで決めるというのは恐ろしいことである。すべて決められた通りに守らされることで創造性や批判精神が失われてしまう。お上の決めたことに従順に従う人間をつくることがまさに安倍政権が目指すところであるのだ。

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コメント

学校の息苦しい現状が良くわかります。教員が息苦しくなると、その影響をまともに受けるのは子供たちですね。もう10年以上も前から職員会議は学校長の諮問機関とされて、会議で決まっても最後は学校長の判断で決議されたことが取り消しになります。それでなくても会議で発言するのは、学校長に近い管理職志向の職員くらいで、人事評価を意識してよい評価を得るために発言するのでしょう。組合の加入率も年々低くなり、4人に1人もないでしょう。いじめがあっても見て見ぬふりをするのも人事評価につながらないからでしょうか。学校スタンダードやゼロトレランスなど画一化教育をしても子供は育たないでしょうね。ゆとりの教育が始まってから、一握りのエリートを作って、大多数は愚民で良いというのが文科省の方針ですね。

投稿: danny | 2016年11月22日 (火) 17時30分

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