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2016年11月11日 (金)

膨大な廃炉へのコストを国民が負担、NHKスペシャル「廃炉への道」

 NHKスペシャル「廃炉への道」を録画しておいて見た。福島第一原発の炉心溶融した3基の原発を廃炉にするコストについて、それに要する費用がどこまで増え続けるか青天井であるというものであった。

  福島第一原発では、使用済み核燃料や溶融によってできたデブリを取り出し、廃炉にするために、毎日7000人もの人が働いていると言う。危険手当は1日2万円だそうだ。またロボットなどの開発費も大変な金を要する。

  コストは現在総額13.3兆円まで膨らんでいるという。賠償に6.4兆円、除染は4.8兆円、廃炉は当初2兆円と見積もっていたのがその数倍になっているという。

  賠償は金額が大きいものは営業損害、財物価値喪失損害、精神的損害など10項目以上うもあるが、新しく加わったものとして住居確保損害の金が大きいという。

  廃炉について、放射能汚染水を溜めるタンクを建設したが、水漏れや老化が起こり、新しいものに換えていかなくてはならない。その費用も大変だという。

  除染では耕作放棄地に自然に生い茂った木を除去するのもコストがかかるし、5年経って、刈り取って汚染の草などを入れてある袋が破れるなどその補充も大変だそうだ。

 福島第一原発の事故だけで、当初想定できなかった様々な問題が現れて、コストも想定外に膨らんだ。そして40年と想定されている廃炉についても、今後その通りに行くかどうか不明であるし、コストもどこまで膨らむかは予想できないというのだ。

 しかし、そんなことは我々素人にでも、関心がある者には想像できることである。私もblogで原発事故で要するコストについて何度も取り上げて来た。除染、廃炉が未知の世界のことであり、除染については今積み重ねてある廃棄物をどこかに移転しなければならないし、廃炉に到ってはこれから研究をしながら道を探って行かなければならないのだ。

 原発安全神話は完全に崩壊した。それなのに安倍政権はインドに原発を輸出する協定を結んだし、これからも原発を進めようとしている。もし、もう1カ所原発が大地震で事故を起こしたら、オリンピックどころではない。その事後処理に労力と金と時間をどれだけとられることになるか、素人でも分かることである。

 週刊現代今週号は、2020年オリンピックの年に南海トラフの大地震が起きるという記事を載せた。もしそうなったら日本沈没が現実のものとなるであろう。

 東京電力は、とても一社では福島原発事故の費用を負担できないと国に泣きつき、財界は国が負担すべきだといい、結局国民がその7割以上を負担することになったという。それは電力料金として払わされるようだ。しかもそれが孫、子の代まで続くやも知れぬと言うのだ。何とも恐ろしいことである。

 NHKは、原発事故が一度起きると、それに対処する費用が膨大なものになることを知らせてくれた。小泉元首相のような原発廃止の政治家が増えることを願って止まない。

※福島在住の元NHK職員の方のコメント

  原発報道で地元の意地を遺憾なく発揮した昨夜のNHKスペシャル・廃炉への道「調査報告 膨らむコスト~誰がどう負担していくのか」

 キャスターはNHK福島放送局の大崎要一郎 記者。タイトルには東京電力福島第一原発事故後の福島をカメラに収めてきたフォトジャーナリストの大石芳野さんの写真が使用されていました。

 この番組のキーワードは「カネ」。遠慮がちな表現を使うことの多い福島や東北の地から、あえて「カネ」という言葉を何度も使ったところに、番組スタッフの意地と心意気を感じました。

 NHK会長・籾井勝人氏の下で、原発報道はETV特集などに限定されている状況下で、ジャーナリスト・スピリットを持ち続けているスタッフが一大奮起したのがこの番組!と感じました。NHK政治部・経済部などの介入を一切感じさせない番組でした。NHKはまだ生きています。

  再放送は11月12日(土)午前0時10分~1時05分(55分) *11日(金)の深夜です。まだ見ていない方には再放送をぜひ見ていただきたいです。

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