« カフェVITAバス旅行で松本へ | トップページ | 後輩に聞く教育の現場 »

2016年11月21日 (月)

名古屋大学レクチャー2016公開講座

 名古屋大学レクチャー2016公開講座に申し込んだら聴講券のハガキが来たので楽しみにしていた。今回の公開講座は、11月19日に名古屋大学豊田講堂であった。レクチャーをするのは大阪市立大学、滋賀大学名誉教授の宮本憲一博士であった。久々にアカデミックな雰囲気を楽しむことが出来るのだ。

  演題は「持続可能な社会への道」―戦後公害の歴史的教訓から―」というものであった。会は学長の挨拶のあと、最初に帝京大学教授の寺西俊一氏の「戦後日本公害史と宮本経済学の意義」という解説があった。

  その後名古屋大学レクチャー盾の贈呈式があり、レクチャーをした栄誉を称える名古屋大学最高の賞が宮本教授に贈られた。

  講演は2時から始まった。ステージ中央に大きなスクリーンが下され、パワーポイントを使ってレクチャーが進められた。文字が画面いっぱいに書いてあり、読むのも大変だったが、メモを取っている内に画面が変わってしまうので残念であった。

  市場主義経済学では、自然破壊や公害患者の被害は社会的費用として、コストに参入せず、むしろプラスとして評価する。しかしこれは誤りである。だから「環境経済学」を創るのが生涯の仕事となったと話された。

  四大環境問題は、熊本水俣病、福島原発事故、神通川イタイイタイ病、沖縄辺野古基地だと指摘された。

  そして戦後の公害の歴史を話された。公害病の原点は熊本の水俣病にある。それが新潟の水俣病に波及し、神通川のイタイイタイ病が起き、四日市の大気汚染公害が起きた。イタイイタイ病は解決した。四日市の公害は公害対策の原点となった。その辺のことを資料を使って詳しく説明された。

  公害は生物的弱者(年少者、高齢者、病弱者)から始まる。そして社会的弱者に集中する。絶対的・不可逆的被害(死亡、不治、自然破壊・・・)である。

  No more 四日市というスローガンで、静岡県の三島。清水、沼津で公害反対の市民運動が誕生した。それが公害対策基本法制定につながった。各地に公害反対運動が広がった。

  公害解決の二つの道、それは①革新自治体の誕生、②企業城下町で公害裁判であった。パワーポイントで詳しく説明された。

  1974年には公害健康被害補償法が世界で初めて制定された。

  公害対策では女性が差別される。それは逸失利益が考慮されるからだ。

  OECDの日本への評価は、公害の防除には成功した。企業に負担をさせたのはよい。環境の質の向上はまだだ。

  70年代、80年代は日本がリードしたが、今はEUがリードしている。

  不況・新自由主義政策で公害対策が後退した。(アメリカに端を発した金融恐慌など)

  環境政策の市場化が問題であると指摘した。

  日本の環境問題は、原発事故、水俣病、アスベスト対策、沖縄辺野古基地の自然環境破壊だという。

  「持続的可能な発展とは、将来の世代が自らの欲求を充足する能力を損なうことなく、今日の世代の欲求を満たすことである」

  西欧型の近代化は終焉したがそれに代わるものを見いだせていない。

  環境と開発に関するリオ宣言(27か条)が大事だと言われた。

  「持続可能な発展から 維持可能な社会へ」このフレーズに現在の危機感が表現されているようだ。宮本氏は今重大な転換期に立っていると指摘した。世界の平和、核戦争をしないこと、環境や資源を守ること、生態系の危機、貧困問題など。こうした問題をどう解決し維持可能な社会をつくるかの岐路にあるというのだ。

 宮本名誉教授は、85歳とは思えぬはっきりとした話し方で、パワーポイントを駆使してレクチャーをされた。その極一部しかメモできなかったが、話の核心は捉えたつもりである。でも間違った受け止めがあるかもしれない。

 パリ協定がトランプ氏によって無視され、ISなどによるテロがはびこり、新自由主義経済が広がり、中国やロシアなどによる領土拡張主義が当然とされ、再生可能エネルギーより原発が利用され、21世紀は不安の世紀である。

 私たち1人ひとりが取り巻く環境や地球や世界に関心を持ち関わって行くことが大事だと思う。

|

« カフェVITAバス旅行で松本へ | トップページ | 後輩に聞く教育の現場 »

教育・生涯学習」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 名古屋大学レクチャー2016公開講座:

« カフェVITAバス旅行で松本へ | トップページ | 後輩に聞く教育の現場 »