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2016年10月15日 (土)

南スーダンは永田町よりは危険!?首相答弁

 朝日新聞によると、安倍首相は12日の衆議院予算委員会で、南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に従事している自衛隊員のリスクについて問われ、「南スーダンは例えば、我々が今いるこの永田町に比べればはるかに危険な場所」と述べた。共産党の高橋千鶴子氏への答弁。

 首相がこともあろうに、日本で一番安全な場所であろう、国会がある永田町を引き合いに出して、「それよりははるかに危険」とは、よくも言えたものだと開いた口が塞がらない。何と能天気な答弁であろう。

 「(永田町よりは)危険な場所だからこそ自衛隊が任務を負って武器も携行し、現地でPKO活動を行っている」と語ったそうだ。永田町より危険な場所とはどのくらいの危険だというのか。

 南スーダンまで視察に行った稲田防衛大臣は、「治安情勢は、落ち着いている」と強調した。しかし、その落ち着いている南スーダンでは、7月に大規模な戦闘が起き、数百人が死んでいるのだ。

 南スーダンで避難民への支援活動を行っている、日本国際ボランティアセンター(「JVC)スーダン事務所代表の今井高木樹さんは、現地の状況を非常に危険だと語っている。(Yahooニュース)

 「昨年8月に和平合意に達し、統一政府ができた。(政府が南スーダンに自衛隊を派遣する根拠)しかし、今年7月に首都ジュバを中心に再度内戦状態に突入。現在では戦場は南部に移りつつあるが、250万人もの避難民が出ている。首都ジュバは平穏を取り戻しつつあるが、首都を一歩出れば、日常的に戦闘行為が行われている。」

 「現在南スーダンでの戦闘は、単なる政府軍VS反政府軍というものではない。政府軍以外の兵士は軍服を着ていない。そして政府側・反政府側のどちらにも、武装勢力の民兵が戦闘に参加している。」

 だから一般の人々は誰と誰が戦っていて、自分たちが何のために攻撃を受けているのかもわからない状況だというのだ。そんなところでどうやって自衛隊は「軍」と軍以外」を区別できるのかと危惧している。

 「自衛隊の活動現場になるであろうジュバのPKO司令部周辺では、銃撃、兵士による住民・避難民への暴行、国連関係車両への妨害行為が頻発している。いつ戦闘が発生し、それに巻き込まれてもおかしくない。」と指摘している。

 また、国連南スーダン派遣団(UNMISS)は12日の声明で、「この数週間、南スーダン各地に於ける暴力や武力衝突の報告が増加していることを非常に懸念している」と表明した。

 稲田朋美防衛相は南スーダンまで出かけて、いったい何を見て、何を聞いてきたのであろうか。自衛隊の制服を着て、超安全な(永田町ほどではないが)場所へ案内されたのか、それとも公費による観光旅行であったのだろうか?

 実情とは正反対の、超危険な状況の南スーダンに自衛隊は派遣され、11月にも「駆けつけ警護」などの新しい任務が与えられようとしているのだ。その責任者である首相や防衛大臣が、上記のようなノホホンとした認識であるのは許せない。まず、自らが武器を携行して現地でPKOをするべきであろう。

 

 

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コメント

稲田防衛大臣は今、国会で野党から過去の発言を巡って厳しく追及されている。自民党が野党時代に
彼女は月刊誌「正論」に将来の核武装容認とも受け取れる発言や子供手当を軍事費に回せば云々と威勢のいいタカ派的言辞を弄していた。彼女は安倍総理の覚えめでたく将来の女性総理とまで持ちあげられている。野党も彼女を追及することは即、安倍総理への追及と考えているのだ?しかし彼女の答弁を聞くと、立場が変われば言うことも変わるは当然といわんばかりで、過去の発言を撤回することを拒否している。野党時代の彼女の国会での質問は舌鋒するどく歯切れがよかった。特に民主党の菅直人総理を居眠り大王とこき下ろし、一躍脚光をあびた。しかしながら守勢に立つとしどろもどろで、あの威勢の良さの片鱗は全く感じられない。彼女の本当の姿はこの程度なのだ。

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