昭和区平和のつどい、伊藤真弁護士の講演から―③―
現憲法が公布されたのは、11月3日で明治節であった。本当は8月11日に公布をして2月11日の紀元節に施行したかったのだという。しかし間に合わなかったのだ。大日本帝国憲法の発布日と合わせたかったのだが、紀元節、明治節にこだわるあたり、頭がまだ切り替えできていなかったようだ。
新憲法は、戦前への反省から、
○戦前の神権天皇、軍隊、宗教の三位一体の解体
→象徴天皇制、9条、政教分離を規定。民族主義的色彩を除去。
○立憲主義の確立
・「個人の尊重」を基礎とした真の立憲主義。
・違憲審査制を採用した徹底した「法の支配」
明治憲法から日本国憲法への憲法価値の転換
〈戦前の日本〉 〈戦後の日本〉
天皇主権 → 国民主権
戦争をし続けた国 → 戦争できない国
臣民の権利に過ぎない国 → 天賦人権思想の国
教育を利用した国 → 教育内容に介入しない国
宗教を利用した国 → 政教分離
障がい者、女性、子どもを差別した国 → 差別のない国
貴族・財閥・大地主のいる国 → 格差を是正する国
自己責任を強いる国 → 福祉を充実させる国
徹底した中央集権の国 → 地方自治を保障する国
国家のための個人 → 個人のための国家
(国家主義・全体主義) (個人の尊重・個人主義)
国家・天皇を大切にする → 一人ひとりを大切にする
上記のように列記してもらうと、どのように変わったかがよく理解できる。こうして見て来ると、安倍政権になって、
・「戦争の出来る国」に変わった
・教育内容への介入が始まった
・福祉を削減し、自己責任が求められるようになった
・新しい格差が生まれた
・個人の人権が狭められ用としている(自民党憲法草案)
・天皇主権に戻そうとしている(自民党憲法草案)
など、急激に変わってきていることがよく解る。また伊藤氏は、自民党などは個人主義と利己主義をすり替えて、利己主義だとして非難していることに気を付け中ればならないと話した。個人主義は利己主義とは全く異なり大切な理念なのだ。
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